二枚目 教師

 実は薬剤師の他にも、なりたい職業はもう一つありました。

 英語か数学の教師です。

 常に誰かに勉強を教えていたし、処世術も後輩に受け継ぎました。

 確かに責任は重いけど、裕福でない家庭で育ったからこそ、勉強以外に教えられることが自分にあると自負していたわけです。

 そういうことで外国語大学も視野に入れて、学業特待生の条件も楽々クリア。

 それでもやはり経済事情を理由に受験辞退を言い渡されました。

 教師のカードも捨てなければなりませんでした。

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