花弁を境目にして

 陰陽、オンオフ、1と0。本作は書き記すことと書き記されたことを……正確にはその1文字1文字に費やされた行為そのものを……もって1枚1枚の藤の花弁を挟んで風に乗せた。読者の理解と感動が読者自身の心に染み入るとき、心臓が脈を打つように魂の雨が降り、または止み、または降り、そうして溜まった作者からの情熱の贈り物が読者自身をきしませる。沸き上がる歓喜の渦に。