星を窓から

 ものを書く。それまでの人生で積み上げた知識や経験を文字に集中する。レンズで日光を集束させるがごとき行為である。
 しかし、書き上がった作品は推敲せねばならぬ。僧は推す月下の門とあるように、概して推敲は夜を想像させる行為だ。
 主人公が目にした夕陽は、その双方を象徴しているように思えた。いずれ彼は太陽を背負い星を掴むのだろう。