言葉は花束にもノコギリにもなる

 言葉という器に悪意を注ぎこんで人を陥れようとする人たちのお話。
 彼らは匿名の仮面を被り、言葉をナイフどころかノコギリみたく変貌させて人を傷つけることに歪んだ快楽を見いだす。
 SNS上でも頻繁に目にさせられるこの種の人々に対する深い洞察と鋭い皮肉によって、この物語は際限のない負の連鎖の一端を読者に垣間見せてくれる。
 人間の醜い一面の本質に迫り、言葉のもつ危うさについて考えさせられる作品。
 一度読むだけで鮮烈な印象を覚え、間違いなく脳ミソに焼きつく。

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