その男、アウトロー

まず、冒頭の暗殺シーンからいきなり血生臭い世界へと引き込まれる。
その後の展開、結末といい物語の構成に作者の妙が光る。
ただ、それにもまして称賛を送りたいのが「主人公の魅力」。

義賊というには利己的で残忍。
しかし、ただの悪役と呼ぶにはあまりに魅力的すぎるのだ。
腕の立つ豪胆なキャラクターと聞けばつい脳筋を想像しがちだが、本作の主人公「フクロウ」はひと味違う。
並外れた機転と優れた話術によって相手を誘導し自分に有利な状況を作り上げるキレ者でもあるのだ。しかもその機転が物語の展開にも大きく影響していく。

たった4000字以内でこれほどまでにキャラクターを魅力的に描きあげることが可能だなんて、この作品と出会うまでは誰も想像すらしなかっただろう。