第15話 交差点

交差点。


そこでは確かに誰かがいる。二度と会わないだろう誰かが。



交差点。


信号待ちをしているときにティッシュ配りに声をかけられた。彼女は確かに何100分の1だったけど、もう2度と会いはしないだろう。



交差点で僕は考える。



学生時代の友達は何をしているんだろう。昔の会社の同僚は元気だろうか。


だけど、僕はそこに帰ろうとは思わない。それはただの交差点にしか過ぎないのだから。


交差点で交わった人よ、幸せになれ。


誰かと交わって、言葉と心を交わすことで、共に進む友を得られることもある。幸せとは誰かがいて初めて感じる相対的感情なのだから。


僕は自分のハッピーエンドはまだ見つけられていない。

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時短小説(仮) 波図さとし @pazzotusuki

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