11.太陽

唯一の

眼は盲いて

炎上する

言葉の塔

も尽きて熱い

砂が風舌に舐めとられて

拡大する

大陸

は穴だらけの

夢が揺れる

水の

幻は鏡にだけ

映じ渇望は

殺戮へ

行商の墓所に

献花もなく投げ込まれる無限の

火矢さえ意味のない陣地を

拡大した

犯罪だけが

テントを張りうずくまる

経血の恵み

シロアリの一群が飛んで移動し

海の途上ですべて絶え

干上がった海溝に死骸を集積する

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騒音譜 2 湿原工房 @shizuki

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