第11話 衣装と……

「ゴーレム」

「それはまた、厄介ですねぇ」


とりあえず情報共有しつつ情報収集。

面倒くさがりのアンジュは飯によって外に連れ出すことに成功、幻惑を使って羽根を隠す。

さらに服はいつかノワールにやってもらったみたいに、影の衣装。

まぁただのマントだけど、その下は全裸。

サキュバスは基本全裸みたいなもんだし天使もそうだからみんな気にしない。

というか人間がおかしい。

みんな脱げよ。


とりあえずみんな分の服の調達だな。

ノワールは良いとして、私とアンジュは必須だ。

服屋は比較的すぐに見つかった。

中に入る前にちょっとそこら辺でお金の収穫でもしようかなー……と思っていたら。


ガチャッ。

「服買うー」

「色々揃っておりますのね」


自由人だなお前ら。

せっかく人が苦労して得たものを得ようと思っていたのに。

なんかどうでもよくなってきたので私も入店。


「………………………」


目があった。

おねーさん。

店の裏で葉巻吸ってた。

服には煙かけないように換気扇の下で。

私とアンジュとノワールを見て固まってる。


とりあえず魅了して良さそうな服を……


「可愛い」


はえ?


「天使かよ」


っ!?

なんでアンジュの正体がバレて……!?


「ちょっ、さわ、触って良い?」

「? 痛いのはやだ」

「ぜっっっっっっっっっったい痛くしないから」

「ならいーよ」

「アンジュ! こっちに走って!」


しかし、おねーさんは棚を飛び越え無駄にアクロバティックにアンジュに接敵。

葉巻は既に無くなっていた、どこかへ捨てたのだろうか。

おねーさんの魔の手がアンジュに伸び……


「やわらかい……!?」

「むぃ、くすぐったい」


まるで羽で触るようなソフトタッチでアンジュの手に触れた。

まるで割れ物でも触るかのような繊細さと心遣い、それと緊張が垣間見える。


「あの……店主さん?」

「あぁぁぁぁぁぁっ、柔らかながらもハリがありなおかつ高めの体温と脈拍が命の息吹を思わせて優しさと気高さそして強さを感じる素晴らしい……素晴らしい……」


待って。

怖い待って。


「手フェチ……?」

「幼女フェチです!」


あっ本物のお方だ。

多分三年後には牢屋の中だろうな。

とりあえず店変えよう店。

多分天使っていうのもバレてないアレはスラングみたいなものだ。


「アンジュ行くよっ」

「んっ」

「あぁっ! 待って天使ちゃん……!」


店主の呻き声が聞こえる。

振り返ったら無数の手に引きずり込まれたりする呪いの類だ、振り返ってはいけない。


「服! 服だけ作らせて! お願いだから!」


おっと?

なにやら耳触りがいい言葉が聞こえたが?


「お代いらないから! いやむしろあげる! お金あげるから! お願い!」

「詳しく聞かせてください」


閑話休題。


「この店の全ての服を……あなたが?」

「うんそうなの! 可愛いでしょ?」


店にある服は安く村人向けのものから、軽い成金向けの高めのものまで揃っている。

どれもデザインが凝っている、あのピンクのミニドレスなんか可愛い。

あー、ベールとかめっちゃ似合うと思うんだけどなぁ……あと嫌がるルージュにも着せたい。

あぁ懐かしき我が愛しの精霊たちよ……


たしかに性格や常識はともかくとして、裁縫技術は信頼できそうだ。


「ね? お願い、お金渡すから! ね?」


んー。


「じゃあお金は要らないから、2着くれない? 女用と男用」

「へ?」


変装、というには私たちは美形にして可憐すぎるが、あって困るものじゃない。

そもそもファッションとしても上出来だしね。


「良いの……? 2つも作っちゃって良いの!? ほんとに!?」


なんで喜んでるのかわからないけど……うん、意欲的な職人は好ましい。


「じゃあ早速作業するね! イメージは沸いてるから!」

「あ、採寸するなら……」


私たちは翼を隠している、それらを疑わせない魅了を……


「あぁ要らないよ、全部わかるから」

「……へ」

「幼女のスリーサイズなんか見たらわかるよぉ〜」


ヒッ。

前世含め1番鳥肌たった。

人類に始めて恐怖を覚えたかもしれない。


「3日で! 仕上げるから! 待ってて!」


そして店主は店の奥に消えていった。

これからあのタイプの人間には近づかないようにしよう。

ドレインしたらレベル下がるだろう多分。


閑話休題。


「おー!!」


幼女かわ……じゃない、アンジュ可愛い。


「白青基調に天使ちゃんっぽさをアピールしてみた! どぉ!? 可愛いでしょ!?」

「ひらひらしてる」


3日経ち、ふたたび店に。

そこには4つの服が。

私とアンジュそれぞれの男女服だ。


アンジュの女服はヘソ出しルックのタンクトップに胸を脇下と脇腹にベルトで挟み、白いケープと青リボン。

青い長手袋と金の腕輪。

下半身は太ももを大きく露出した短めの白スカート。

黒いソックスは股下まで覆い隠している。

靴は革のブーツであり、ちょっとだけ上げ底。

控えめに行ってめちゃくちゃ可愛い。

腕、お腹、太ももあたりのチラリズムが素晴らしい。

いやー素敵。


男服のほうは貴族服のシャツに軍服をアレンジした羽織。

神聖さから高貴な感覚に変わる。


「しかも幼女のことを考えて成長繊維を使いました!」

「ほぉ」


成長繊維、とある貴重な植物を数年かけて加工してつくる特殊な繊維。

文字通り持ち主の成長に合わせて成長する繊維であり、魔力を取り込むことで最適化されていく。

私たちが10歳ほどの見た目として、これから1.5倍ほどの身長になろうとも胸が3倍になろうとも、急激な変化じゃなければいい。

このままアンジュや私が成長しても問題なく使えるのだろう。

便利だ。


「ブラン、ブランも、着てよ」

「ん、おーけー♪」


可愛い私が可愛い服を着たらどうなるかなぁー?


「銀髪ちゃんのほうはなんか大人っぽいから服も大人っぽく!」


私の女服は首の首輪チョーカーから伸びる胸元の開いた三角形の布。

脇下で後ろ側の布と結ぶ形になっており、インナーにわずかに透ける布が胸からお腹を隠している。

肘程度まで隠す手袋、刺繍は赤と黒。

メイン黒に赤い刺繍のズボンは右足のみ長く、左は股下程度に収まり、代わりに銀のアンクレット。

それらをひとまとめに包む黒いコート。


豪華ゴージャス神聖セイクリッドな感じのアンジュと比べて、上品シック陰影ダークネス、といった感じだろうか。


男服のほうはシンプルなタキシード。

女服のと比べてかなり平均的だが、積極的に使わないのならこっちのほうがいいだろう。


総じて、デザインは完璧と言えるだろう。

可愛いし美しいし。

変態と天才は紙一重か。


「そ、それで、おいくら払えばいい!? 成長繊維で結構出費凄いからあんまり出せないけど」


成長繊維はその加工の時間からかなり高価である。

これだけのデザインが出来るなら多少貴族や商人に顔が効くだろうからおおよそ平民よりも手に入れやすいだろうが、金銭はどうしようもない。

ここまでのことをやってもらいながら何もしないのは流石に不味いか。

というかお金は要らないって言ったはずなのだけどな。


「お金は要らないよ。とりあえず……お礼に、お姉さんが1番喜ぶこと、しようかな……」

「え……へ……?」


とりあえずお姉さんの腰元に寄る。

上目遣いとジト目、あと……ちょっと赤面に舌出しぐらいサービス。

アンジュにも来い来いしたら来た、珍しい。


「お姉さんありがとぉ……♪」

「ありがと」

「は、はひゅ、ぴ、ぴゅ、みゃ」


抱きつき、お礼しつつスキンシップ。

ロリコン絶対殺す攻撃。

手下のロリサキュバスたちにはよく教えていたが、習熟が甘かった……みんな股間を見たらしゃぶりにいくしなぁ。

その点アンジュは見込みがある。


「これじゃあお礼、足りないかなぁ……?」


ちょっとずつ力を込め、ゆっくりとお尻を着地させる。

2人の幼女が女性をやんわりと押し倒し、そのま馬乗りになる、アンジュは私に合わせて。


「このまま……身体でお支払いしよっか……」


耳元で囁く。


「ふぎっ」

ぶばっ。


えっ。


「あっ」


気づくと……純白の神々しさすらあるアンジュの衣装が鮮血に犯されていた。

お姉さんの鼻血で。

台無しもいいところだ、いろんな意味で。


「ご、ごべっ、ごべんなさいっ、ちょっと、興奮しすぎ、て」


うわぁ……あのままだったら天国だったのに。

まぁある意味現実の中に夢を知るより、妄想を膨らませたほうが幸せなこともある。

それならこれでよかった……かもしれない。


「それは、水洗いできるから、その、あとはおねがーい!」


そしてお姉さんは店の裏に消えていった。

数秒で店の裏から奇声が聞こえてきた。

暴走気味のエンジンに燃料を叩き込んでしまったらしい。


「……まぁ、帰ろっか」

「うん」


その後、洗濯をして、おニューの服をゲット。

そして私のお古の服は置いてきた。

無論わざとである。


今どうなってんだろうなー。

まぁいいや。


宿屋に帰還。

ノワールが食事を取りに行ってくれた。


「ブランー、さっき何しようとしたの?」

「ん? あー、サキュバス式お礼」


表情が変わらない。

よく理解してないみたいですねこの子。

純粋培養天空山脈産の天使ちゃんですし。


「こういうことをしたくなっちゃうんだよ♪」

「ぅあ」


アンジュをベッドに押し倒し、首を舐める。


「ブランー?」

「知らない? こういうこと」

「?」


この身体の女の子を無知シチュに誘えるとは……奇跡か。

アンジュは僅かながら私より背が高く、胸も少し大きい。


「こういうこと……はむ……♪」

「ん……」


アンジュと唇を重ねる、アンジュの唾液は少しぴりぴりする。

刺激的で大変よろしい。

舌を絡め、よくわかっていないアンジュの舌を優しく舐める。


「ん……ゃ……」


ちょっと嫌がってる?

その割には顔をずらす気配も無いなぁ♪

天使は滅多に性行為をしない、子供を作る利点が薄いからだ。

よくわからない未知なもの、をおいそれと受け入れるのは難しいだろう。

だけど気持ちよくできる手練手管はお手の物、だよ♪

舌の裏とか、気持ちいいでしょ……♪


「んみゃ……ぅ……」


ん、反撃してきた。

おぼつかない舌が私の舌を押し返そうとする。


なら。


「んみっ……!」


アンジュの脇腹を優しく摩ってやる。

ぴくん、と震え、甘噛みして抵抗してくる。

ふぅん、ここが好みか。


一気に身体を引き寄せ、腰のあたりを抱きしめる。


「んんっ……!」

「ぷは……♪」


一旦口を離し、首を支えてあげる。


「ぶ……らん……?」

「気持ちぃ?」

「……わかん、ない……」


脈アリ……♪


「じゃあもうちょっと……♪」

「ひゃう……」


お腹に舌を這わせる。

ちょっとだけ甘い匂いがする気がする。


「なに、してるのっ……」


ぽかぽかと背中を叩かれるが、力が入っていない。

可愛い。

時々聞こえる嬌声もあり、身体は全然拒否出来てないなぁ♪


「ん……れろ……♪」

「ひゃ……!」


このままちょっと……遊んじゃおっかな。


「《魅了チャーム》」

「ひゃ……」


魅了状態にしちゃう。


「この先……やってほしい?」

「ぁ……」


わざわざ離れてあげる。

これこそが攻め側の特権。


「や、やだ、めんどくさい、もん」

「めんどくさいってなぁに♪」


焦れったいなぁ、可愛いなぁ♪


「スカートをあげながら、やってください♪ って言えたらいいよ♡」

「う……」


せめぎあっているらしい。

知らないことへの恐怖か、興味か。

魅了状態なら……無駄だけど♪


魅了と言っても出力次第で態度は随分と変わる。

可愛いペットから淫乱奴隷まで。


「……ぅ……」


スカートに手はかけた。

吐息は荒く、顔は真っ赤。


「……やっ……て」


ちら、とほんの僅かにだけめくった。


ま、及第点♡

何よりムラムラしたので♡


「可愛かったご褒美♪」

「んっ……」


キス。

さっきのほど優しくない、貪るような。

アンジュの口中を舐め、舌と舌を絡め合う。

唇で舌を挟んでは離してやったり。


「ん……」


そのうちにも新しい攻撃。


「んむぅーっ!?」

「ぷは……ここ……気持ちぃでしょ……♪」


アンジュの股間に指を這わせる。

きっとアンジュは知らないだろう、天使の寿命から考えて数十年間ではじめてのえっち。

こんな貴重な初めてを貰っちゃう♪


「やっ、ぶらん、やっ、やぁっ!」

「怖くない……怖くない……♪」


優しく抱きながら、ブランに囁く。

ブランは必死に、縋るように私を抱き返してくる。


「んっ……ぁ……ぁ……!」


優しく、前後にこすってやる。

パンツ越しは久しぶりだ。

だけど忘れることなどない。

一番アンジュが楽な姿勢を作ってやる。

右手はアンジュの左手を握ってやり、肩に顎を乗せてやる。

アンジュのとくん、とくん、という心音がちょうど私と一緒に鳴る。

こういうのちょっと嬉しい。


「ふぁ……ぶら、ん……」

「可愛いよアンジュ♪」


アンジュは感じやすい方だな。

しかも初めて、もう達するかな。

最後は顔を合わせながらいきたいので……


「アンジュ♪」

「んっ……ぷぇ……」


再びキスを再開して……すぐに。


「ん……んんんぁぁっ!!」


アンジュは達した。


「はぁっ……はぁっ……」


真っ赤っかなアンジュの顔に微笑みながらベッドに寝かせてやる。

真っ白な服が汗と火照りで透けて極めてえっちぃ。


「ばかぁ……」

「嫌だった?」

「うるさい……」


ぷい、とそっぽを向かれてしまった。

んー、早すぎたかな、手を出すのが。

味見しちゃう程度だったし良いかなーと思ったんだけど。

その実指の先や舌はいまも痺れてる。

意外とダメージ、いててて。


「いつか、もっと気持ちいいのあげるからね……♪」


ぴく、と震えるアンジュ。

どこまでも可愛いなぁ♪


もちろんご飯は無しになりました。

アンジュに全部取られました。

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淫魔女王の蹂躙録 こおろぎ @korogi_BUG

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