第8話常念岳3
8月の日は長い。
日が暮れる前に何とか下山することができた。
常念乗越から下はガスがかかって視界が悪かったが登山道が明瞭なので何とかなった。
家から手で持つタイプの懐中電灯を持ってきていたが使うことなく済んでよかった。
駐車場に着くと荷物を積んでTシャツだけ着替えて車に乗り込んだ。
ものすごく体が重かった
「明日は筋肉痛かな。」
黒味岳の時も全身が少し筋肉痛になって数日間痛かったが今回の体の重さは前回の比ではない。
相当の筋肉痛を覚悟した。
疲労のため時々うとうとしてはコンビニなどで休みながら下道を使って愛知県まで戻った。
家に帰ると3時を回るところだった。
とにかく明日は仕事が控えているので少しでも休むことにした。
仮眠をとって翌朝出社した。
仕事が終わり帰宅した。
今日一日仕事中考えていたが登山をやるうえで今必要なものがいくつかあることに気付く。
まず体力。
一日歩いただけで体中筋肉痛で翌日もつらい。
憧れの槍ヶ岳に行くには三日も歩かなければならない。
次に装備。
歩いているうちは気にならなかったが山頂で休憩している間は汗が冷えてTシャツ一枚ではかなり寒かった。
急にガスが上がってきたことを考えるとやはり山の天気は変わりやすい。
いきなり雨でも降っていたら対応できないので合羽や上着は必須な気がする。
懐中電灯も両手が空くヘッドライトの方がいいだろう。
最後に経験。
ガスに巻かれたとき明瞭な登山道だったからよかったものの山頂から常念乗越の間はペンキマークはあったが不明瞭な場所もあったのでもう少しガスに巻かれるのが早かったら道迷いと低体温で動けなくなっていた可能性がある。
そうならないためには視界がなくても進める技術や視界がなくなる前に引き返す判断が必要だ。
それらを満たすためにはどうするか?
「装備は店で調達するとして、あとは山に行くしかないかな。」
そういう結論に至った影一はとりあえず今日は休んで明日買い出しに行くことにした。
翌日定時後。
まず前回登山靴を買ったスポーツショップに行った。
登山用の合羽は一種類しかなく選択の余地はなかったが上が水色で下がグレーのセパレートタイプのものを買った。
ヘッドライトもあまりよく知らないメーカーだったが安かったので買ってみた。
上着は部屋着で使っているユニクロのフリースでいいだろう。
次にまた本屋に向かった。
色々と登山コーナーの本を見ていると愛知の山100というルート本が目に留まった。
愛知県の山なら長野県ほど遠くなく朝出て行っても帰りが深夜になるということはおそらくないだろう。
これならいけるかもしれないという気持ちになり愛知の山100を買って自宅に帰った。
クライマー akihu @akihu
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