どのような一生でも生は生ならば如何な一生を送るべきか

 子は親を選べず、この世に拒否権なく生まれてくる。
 人は誰でも主役であるが、その劇を見るべきは一体誰なのか?

 小賢しい犬を主役に哀れな男を見ていく。すると高潔さも低俗さも紙一重のものであると思い知らされ、愕然とするほかは無い。

 込められたテーマはありきたりなのかもしれない。だが、犬が哲学者めいた思考を持ち、人はただ生きることに悩んでいく。その答弁なき同居生活は小説投稿サイトに一石を投じるもののようにも感じられるのだ。

 川津先生の織りなす純文学風ラノベに今後共期待と関心が持てる一作!