異世界交流の楽しさ、その原点を継ぐ

 世に異世界交流を主題とした作品は数多ある。そのどれもが我々を魅了して止まないが、この作品はその中でも違った色の輝きで迎えてくれる。

 交流は言語を通じて行われる。しかし、異世界なのだから言語を学習するところからスタートなのだ。
 主人公とヒロインの関係は教師と生徒のようであり、時にソレ以上でもある。示したことに反応が帰ってくる。常識が通じず相手を傷つけたり、過剰に期待もされる。

 そうした提示と返答という異世界交流の魅力が、この作品には詰まっている。

 一読すれば少しむずかしいように見えるかもしれないが、ほんの少しだけ文を見直すだけで感触が伝わってくる。
 むしろ小難しいのを敬遠しがちな人にこそ楽しめるのではないか?そう思わせてくれる一作です。