初めて読んだ時から大切なお話です。語られる主人公のリーゼの人生は、始まりから幸せなものではないかも知れません。たくさんの愛や世界からの恵み。子供が受けてしかるべき恩恵。それを彼女は失ってしまう。それでも彼女は目を覚まします。ぬいぐるみのパルムの声に導かれて。それは小さな魔法。でも、それは彼女自身が起こしたものだとわかります。目を開けて。昨日と違う今日と明日を生きる。そんな彼女の覚束無い一歩。冷たくて、よそよそしかったはずの世界や周囲の人々。変えて行くのは彼女の笑顔。そして踏み出す一歩。静かにゆっくり。見つめて、見守る、作者さんの視点と文章が素晴らしいです。そして本作は、何より、読んだ皆さんの人生にも起きる物語です。魔法はある。この世界に存在する。そしてそれが出来るのは、リーゼ同様に、世界中に数多いる、主人公の一人である読者さんたち。私はそれを信じて疑わない。この作品を読む度に、それをかみしめています。大好きな作品!だって、みんなが子供だった頃の心があるから!生きる可能性を感じる作品だから!ぜひ「子供の本や子供を主人公のお話は・・」そんな方にもぜひ!お読み下さい!心からおすすめしたい作品です!(o^-^o)🌿
描かれているものは、小さな少女がその家庭教師に抱くかわいらしくも真剣な「愛」のかたちです。
カクヨムには、ちょっと異端なタイプの傑作書く人が多いなという印象だったのですが(悪口じゃないよ!)この方は、たぶんここでは非常に珍しいステレオタイプを五感が刺激されるレベルにまで高めて描ける作家さんだと思います。
これってものすごいことで。
まず、文章力がないと実現できません。
次に武器がないと実現できません。
作者様の武器、勝手に「豊かで美しく精緻な表現力」にさせてください。あ、でも過不足ない洗練された文章とそれを存分に生かすことの出来る確かな筆運びも武器だと思うの。
とにかく力量が半端じゃない。書店に並んでたら買います。間違いなく。
頁を捲る度に、爽やかな風が頬を撫で、次から次へと飛び出してくる美しく精緻な表現の数々に、酔いしれることでしょう。
なんか偉そうになったけれど、酔いしれます! 断言!
長々と語りすぎました。
ひとことでいえば、素晴らしい。
読んで酔いしれてください。
作品の中にある愛と外にある愛。
このふたつの愛に、あなたもぜひ包まれてください。