ショタコンの俺が異世界でショタと結ばれるのはありですか?

朝野終夜

第1話 ショタコンですがなにか?

いつもと変わらない社畜となる日々。

ただ普通のサラリーマンである俺は帰りの夜道を歩く。

もう全てがどうでもいいと思えてくる毎日。

休みなどなく、時間通りに帰った日などあったか解らないほどだった。

正直なぜこの会社に勤めているのかも忘れてしまった。

そんな生きる希望も何も無い俺は、家につくとすぐにパソコンを開いた。そこには俺の唯一のオアシスがあった。


翔真

「やっぱり"ショタ"だよなぁ、可愛いよなぁ。」

違和感、もしくは吐き気を感じた人はここで止めるべきだとでも言っておこう。


そう、俺は重度の"ショタコン"である。

念のためもう一度言うかなりの"ショタコン"

である。


別に、男が好きなわけではない。普段は女性を好きになったりするし、男を好きに思うことはない。


ただ、ショタは別である。


俺は昔、弟が欲しくて親に泣きついた思い出がある。まだそれなら普通だろう。

実際には一人っ子で兄弟はいない。

だが、中学に入ってからある画像を見たときに俺は確信を得た。俺は"ショタコン"だと。

その画像は、小さい男の子のイラストだったのだが、それを見た瞬間に俺は"キュン"と来てしまった。それが始まりである。


まぁそれ以来、毎日仲の良いショタコンイラストレーターの描くショタのイラストを見るのが日課となっている。


翔真

「ふぅ、さてと、ショタも堪能したし、飯食って寝ようかな。」


その後、夜食を取り布団に入ったらもう3時だった。

俺は、すぐに眠りについた。



翔真

「夢....の中..なのか?」

妙だ、夢で意識があるのは初めてだ。こんなのあり得るのか?

もしかしたら眠りが浅いだけか?

???

「あの......」

それとも俺は遂に夢で自由に動けるようになったのか!?

???

「あっ....あのっ....」

すっげぇ、それなら何でもできそうだ、空を飛んだり食いてぇもん好きなだけ食ったり....

???

「おいっ!聞こえねぇのかテメェ!!」

んあ?誰かいんのか?夢の中で?

???

「コホン...よく聞いてください、私とあなたは近いうちにまた出会います。今は詳しくは話せませんが今のうちにそっちの世界でやり残したことはやっておいてください。そうしないと....後悔しますよ....」

ほぅ、俺の夢にしては中々な.....やり残したこと..か...。なるほど、考えておかないとな。

???

「もうじき目覚めますね、では貴方に良き余生のあらんことを....」

余生?なんか死ぬみたい言い方だな。

???

「そうだ‥‥‥名前‥‥私の‥名前は‥‥ヘレナ‥‥‥ヘレナ・ユーウェニス‥‥‥」




朝だ。

なんにも覚えてない。

何の夢見てたっけ?、んー思い出せん。

まっ、いっか。

さてと、今の時間は....ん?あれ時計.....。

目覚まし時計はちょうど午前3時を指している。ちょうど寝るときに電池が切れたようだ。

あれっ?てことは.......。

携帯を確認する。

......午前10時半。

出勤....8時.....。


翔真

「....ヤバッ!?寝坊した!?まずい殺されるぅ!?」

ヤバイかなりヤバイ。

ブラック企業でおまけに遅刻。

これは最悪死ねるやつ。急いで着替えてあわてて出勤する。

歩道を全速力で走る。会社まではそう遠くない。

とにかく走る。赤信号にも気づかずに....。


ドンッ..。鈍い音がした、明らかに何かにぶつかった。俺にはそれしか解らなかった。ただ、車にぶつかったんだろうとはおもった。でも、それ以外見えてなかった。唯一見えたのは、反対の歩道で、俺に冷たい目で笑う男の子だった。




俺は、死んだのか?

ん?この感じに見覚えが、んーどこだっけ。

あっ、そっか、今朝の夢だ。ならここも夢か。なーんだ、俺、まだ寝てたのか。

???

「あの.....」

今起きれば会社間に合うかな。てか今何時だろう。

???

「あっ...あの....」

てか夢って自分で覚ませるのかな。頬をつねればいけるかな?えっと、こうやって......

???

「おいっ!また聞こえてねぇのか!あ!?テメェの耳腐ってんのか!あぁ!?」

んぁ?なんかデジャブ。

翔真

「あれ、どっかで会ったような...」

???

「でしょうね、だって私は....」

翔真

「んー、あっ!分かった、この前の取引先の!」

???

「そうそう、この節はどうも....じゃねぇ!人の話聞きやがれ!!」

何だこいつ、ノリが良いのか、うっとおしいのか。

翔真

「分かってるよ、今朝の夢の中のやつだろ?ぼんやりとなら覚えてる。確か...ヘレナ・ユーウェニス...だっけか?」

ヘレナ

「コホン....そうです、今朝あなたとお話したヘレナ・ユーウェニス、転生の女神です。やり残したことの無いようにと...」

ヘレナ

「なのにあなた....その初日の朝からすぐに死んじゃってどうするんですか!?何、やり残したことなんてありませぇーん、とか糞みてぇなこと言うんじゃねぇだろうな?てか死因糞過ぎんなテメェ!」

ホントにこいつのテンション解らんわ。

翔真

「うるせぇよ、俺だって死にたくて死んだ訳じゃ...てか死んだんだ、俺。」

ヘレナ

「はい、死んじゃいました、ぽっくりと。」

翔真

「ぽっくりと?」

ヘレナ

「はい、ぽっくりと」

翔真

「....」

ヘレナ

「....」

女神がこんなんでよいのだろうか、こうも簡単に人の死を告げる女神がいて良いのだろうか。それより、俺死んだんだ。

薄っぺらい人生だったなぁ、俺。

そういや、母さんに嘘ついたまま来ちゃったな。良い会社について成功したなんて、その真逆なのに....

翔真

「んで?死んだ後は?天国か?地獄か?」

ヘレナ

「あら?すんなり受け入れましたね。」

翔真

「くよくよしてても仕方ねぇからな。それで、俺はどうなるんだ?」

ヘレナ

「そうですね、率直に言うとあなたの世界とは違う世界....いわゆる異世界に転生していただきます。」

ホントにあるんだな、異世界。

翔真

「まじか。で、その異世界ってので俺は勇者にでもなんのか?」

ヘレナ

「んー、厳密には違いますね。それっぽいですが倒してほしいのは魔王ではなく**...」

ん?うまく聞き取れなかったな、まぁでも魔王じゃないなら安心か。

翔真

「なるほどな....なぁ、転生ってのしたら記憶はどうなるんだ?」

ヘレナ

「普通は消されますが、今回はそのままとなります。今回は特例なので。」

翔真

「なるほど了解。ちなみに特殊能力とかは

?」

ヘレナ

「それについては向こうの世界についてからランダムで付与されます。飛行能力だったり、魔法が使えたり....まぁ、色々ありますね」

翔真

「へぇ」

ヘレナ

「さて!そろそろですかね!」

翔真

「ん?そろそろ?」

ヘレナ

「はい!転生の時間がやって来ました!」

翔真

「おい!まだ聞きたいことはたくさん...」

ヘレナ

「大丈夫!また会えますよ、その時はまた....」

翔真

「おぃいいいぃ!」

その後、俺は光に包まれて....





???

「なぁ、人が倒れてるぞ?」

???

「大丈夫かなぁ?お腹すいてるのかなぁ?」

???

「とりあえず連れて帰るか!」

???

「そうだね!って、あっ!お兄ちゃんも手伝ってよぉー!」


続く.....




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ショタコンの俺が異世界でショタと結ばれるのはありですか? 朝野終夜 @syuya122

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