第8話 創造主の帰還と再起動

「もしもし」

「はいなんですか?」

「わし、創造主なんじゃけどアンジュはどこじゃ?」

それは苦行を超え帰還した創造主様だった。急いでアンジュにテレパシーで

伝えると、一瞬で瞬間移動してきた。

「おかえりなさいませ我が主」

「うむ只今」

少しうつむいた翁は、

「してお主が我が創造主の領域テリトリーに入ってきた者じゃな、どうじゃった再創造は?わしなりに遊び心を加えてみたつもりじゃったが」

「ええとても楽しませていただきました」

「そうかえらいべっぴんさんに転生したんじゃの、第一階層から転生させたら100%犯されるじゃろうて」

「ご冗談を、はははっ」

「さて早速じゃが再創生された世界データでシミュレーターを起動させてみるぞい」

「はい我が主」

アンジュは真剣な表情で言った。要は少し不安に思ったが創生の間に向かう創造主様についていった。創生の間につくとアンジュは、「機能再起動システムリブート」と唱えた。すると部屋中にモニターが出現した。メインモニターに再起動中と表示され赤く点滅しだした。あたり一面のモニターに世界の様子が映し出された。残虐、非道、鬼畜の極み、が大半だったが中には平和そうな村や、秩序ある高度な電脳都市、自然と調和した高度ハイソロジーな都市なども映し出された。

「うーむこれはなかなかどうして」

創造主様は眉間に皺を寄せ、こう言った。

「面白そうな世界になったじゃあないか?ん?」

要はほっとして、ため息をついた。それから創造主様の口から、

「創造主は創造した世界を味わい、身をもって知るべきである」

と言った。要はとうとう来たかと覚悟を決めた。

「この新しい世界に転生してきます!」

「うむ、まあ別にすぐにとは言わん、13階層は居心地がいいじゃろうて」

「そうですね、お言葉に甘えてもう少しだけ」

この物語は、一見なんの意味もないような人生を歩んだ男の実は大層なことを

しでかしていた末路の後日譚である。

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世界創生が双六だった件 魯沙土曜 @rosado

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