世界はルールが支配する

作者 雪世 明良

50

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★★★ Excellent!!!

小説の概要にも書かれていますが、オムニバスで3つのお話があります。
オムニバスですのでどれから読んでも大丈夫なわけですが、1話目から読むことをお勧めします。
理由は、「もしも」を法や資格という定義にするため強め表現があるので、その部分が気になりにくいと思うからです。
時間がない、とりあえず簡単に読みたいという方には、前後半に分かれていますが3話をお勧めいたします。

★★★ Excellent!!!

そんなもしもボックスの世界。だけどそんな一瞬の世界の中において繰り広げられる人間模様には、至極真面目にルールを守ろうとする日本人がいて滑稽に思える。
「悪法も法である」という法治国家においてはへんてこな法律はまともに運営されなかったり、いつしか忘れ去られたりするものだが、逆に遵守意識の高い世界で施行されるとこんなことになってしまうのか、と少しだけ恐ろしく感じた。その一方で、「恋愛免許」を取りに行って生意気そうな女教官を卒業後にひいひい言わせてみたいな、とちょっとだけ思った(ちょっとだけですよ!)。

★★★ Excellent!!!

恋愛にも免許が必要だったら
少年法とは反対に老人方があったら
失恋の痛みをカバーしてくれる保険があったら

そんな変わった切り口と発想から始まる、ちょっと不思議な物語が集まっています。
それらは時にはブラックユーモアのようであり、でも意外と考えさせるものであったり、人の心の機微を感じさせるものだったり。

どの作品も味わい深く、発想だけにとどまらない物語としての面白さに満ちています。
短篇ではありますが、語り口の雰囲気や、意外な展開により、なんとも心に残る印象深い作品に仕上がっています。

はっきり言ってどの短編もとにかく面白い!
ぜひぜひ読んでみてほしい作品です。
そして心に残るちょっとした苦みや甘みのある澱(おり)を味わってほしい。

おススメです。ぜひ

★★★ Excellent!!!

この世に、マッサージ免許があるなら恋愛免許があったっておかしくない。
実際に少年法があるなら老人法があってしかるべき。
現実にホールインワン保険があるのだから失恋保険はどこかの保険会社が手を出しそう。

おかしな制度のある世界で泣き笑いする人たちが主人公です。
ある意味、その制度自体が主役でもあります。

しかし、その現実にはないルールは今後も存在しないとは言い切れないリアリティがあります。
それでいて読後は心が暖かくなります。
短くて読みやすいのでぜひ!