異世界バラエティ

Extreme

第0回 出演者・撮影スタッフ紹介

【出演者】


《エド》


男性タレント。20歳。芸歴3年。

素人出身であり、番組発足の際に一般公募でオーディションを勝ち抜いてレギュラー入りを果たした。イケメンで、ロケ先では異性にちやほやされる。

普段は明るく真面目な性格だが、若干生真面目すぎる傾向があり、収録やロケ中にジョークがスベったりすると途端にネガティブになり、激しく落ち込む。その際、人が変わったように愚痴や自己嫌悪をつぶやく悪い癖があるが、その面倒くさい一面も含めて視聴者や出演者からは愛されている。

絶叫系アクティビティが大の苦手で、ケージに入った状態で凶暴な水中生物・サハギンを観察するロケでは、恐怖のあまり水中で泡を吹いて卒倒したことがある。



《サシャ》


若手女優。19歳。芸歴5年。

王都グリーシアでプロダクションにスカウトされ芸能界入り。ティーン向けファッション雑誌の専属モデルを経て、のちに女優へと転身した。

おっとりした性格で超がつくほどの天然。反面、肝のすわった一面もあり、恐怖・絶叫系のアクティビティでもほとんど怯えた様子を見せない。

元モデルだけあって抜群のスタイルを誇るが、いっぽう満漢全席を50人前平らげるほどのドカ食い。とある国で開催されたコカトリスの唐揚げ大食い大会で、世界的な有名フードファイターをギブアップさせた伝説から《キリグの歩くブラックホール》の異名を持つ。



《リー》


お笑い芸人。24歳。芸歴4年。

生まれは牧場の次男坊で、20歳までは実家の牧場を手伝って家畜の世話をしていたが、兄が牧場を継いだことで解放され、テレビに出ることを夢見て上京、ピン芸人となった。

今はまだレギュラー番組の本数は少ないものの、《ファンタスティック世界》への出演以来、持ち前のトーク力の高さを買われ、メディア露出は着実に増えている。

自称動けるデブでなぜかカンフーが得意だが、100キロを超える巨漢のため持久力に乏しく、登山やサバイバルなど体力系のロケでは真っ先に足を引っ張る。番組で何度かダイエット企画に挑戦しているが、オンエアの翌週にはリバウンドしてもとの体重に戻ってしまう。



《ビビ》


モデル。22歳。芸歴5年。

女優に転身したサシャとは違いモデル一筋でキャリアを積んでいる。

女性でありながら身長175センチという高身長で、同性が憧れるずば抜けたプロポーションを誇る。

性格はおしゃべりで自由奔放、プライドも高く、まるで猫のようだと評される。

しかし一方で大の怖がりなうえに虫などのカサカサ動く生物が苦手なため、番組ではそのことを熟知したスタッフから頻繁にイジられるのがお約束となっている。



《ジャスティン》


アイドル。23歳。芸歴6年。

180センチの恵まれたスタイルを持つ売れっ子で、自分に酔いしれるオレ様タイプ。

一方、アイドルなのに極度の運動音痴という致命的な弱点を持ち、身体を動かすロケでは目も当てられない醜態をさらしがちだが、本人はかたくなにその事実を認めようとしない。






【制作スタッフ】



《カティア》


名物女ディレクター。年齢不詳。

番組を3年で民放トップに育て上げた功労者であり、常軌を逸した頭のおかしい企画を毎回思いつく張本人。出演者からは「ヒットを生み出す才能と引き換えに道徳と倫理を悪魔に売り渡した」と評される。

一方、出演者だけに過酷な企画を強いるのではなく、番組がより面白くなると判断したら自身もロケに飛び込んで行く、徹底したプロ根性の持ち主。

過去に心霊ロケで自ら廃墟に宿泊し、幽霊をおびき出すために中庭のど真ん中でAVを大音量で流すという暴挙に出たほどの太い肝っ玉を持つ。



《ミィ》


新人AD。20歳。

入社1年目の駆け出しで、ADという名の雑用全般を任されている。

素人出身でスタッフに優しいエドに密かな親近感と好意を抱いている。自分では隠しているつもりだがスタッフにはバレており、撮影の合間を見計らってエドにアタックするようすがスタッフの策略で地上波に乗せられてしまうことがある。

普段は気弱でおどおどしているが、酒が入ると性格が豹変し、自制がきかなくなるばかりか、エドに襲いかかり既成事実を作ろうとする危険人物。

そのくせ飲みたがりなので、打ち上げでは飲もうとするミィと、断固阻止しようとするスタッフたちの間で決死の攻防戦が繰り広げられる。



《テリー》


照明 兼 カメラマン。25歳。

金髪のチャラついた男で、女好きな一方、自分以外の男は蚊と同レベルに思っている。

ロケ先で興味本位からサキュバスが運営するおっパブに入り、生気を吸い取られて生死の境をさまよった経験があることを番組内で公然とイジられており、出演者から《変態カメラマン》という不名誉な愛称をつけられている。

ノリは軽いが仕事はしっかりこなすタイプで、水中撮影や空撮もそつなくやってのける。



《ウーラ》


通訳。20歳。

ドワーフ族で、120センチの低身長だがれっきとした大人の女性。

ドワーフゆえに非常に知能が高く、千年前に消滅したとされる古代語や、古の精霊などが話す神界語にいたるまで多種多様な言語を解する。

ロケ隊の中で数少ない常識人。子どものような外見のためマスコット扱いされるのが不満の模様。



《クレア》


魔女。19歳。

アークウィザードという高位の魔法使いでありながら、「芸能人に会いたい」というミーハー気質ゆえにテレビ業界でのキャリアを志し、危険が伴う《ファンタスティック世界》のロケにボディーガードとして同行している。

強力な呪文を数多く習得しているが、どこかポンコツで抜けた一面があり、メンバーを守るための魔法を誤って暴発させ、逆に事態を悪化させることがある要注意人物。

「クレアがなぜクビにされないのか」は当番組の七不思議のひとつである。






【その他の関係者】


《スージー》


サシャのマネージャー。36歳独身。

誰も頼んでいないのに《サシャのサポート》と称して旅行気分でロケについて来る。

容姿は悪くないのだが、四十の坂にさしかかっていながら人生で一度も彼氏ができたことがなく、本人も焦りを覚え始め、婚活パーティーに参加するも、ゴブリン族にしか相手にされなかった。

ロケ先で高明な占い師に「恋愛と結婚運に死相が見える」と言われ、ついにその場で首をくくろうとしたことがある。





【用語紹介】


《キリグ》


我々の暮らす世界とは別次元に存在する地球、すなわち異世界。

文明の発達度は国によって大きく異なり、電子機器を使いこなすほどの現代的な先進国もあれば、原始時代レベルで文明がストップし、狩猟採集で生計を立てている国もある。

犬や猫など一般的な動物に加え、ドラゴンやグリフォンなどといった幻獣種も生息し、その存在は公にされ、一般に浸透している。

人類にはいくつかの種族があり、一般的な人間である《ヒト族》、見た目は人間だが何らかの特殊能力を持つ《亜人族》、身体は小さいが非常に高い知能を持つ《ドワーフ族》、自然界に精通し200年以上の寿命を持つ《エルフ族》、水中でも生活でき魚のようなヒレと鱗を持つ《魚人族》、爬虫類のような外見で強靭な肉体を持つ武人・《竜人族》などがいる。



《オルディナス》


キリグ上で5番目に巨大な国土を持つ大国。

神話の時代、最高神オーディーンが現世を統治するための拠点として建国したという伝説が残っており、国名もその神話に由来している。

文化やファッションは中世風だが、電子機器が一般的に流通しており、テレビや冷蔵庫、電子レンジなどの家電のほか、スマートフォンのような形の通信デバイスまで広く浸透している。

テレビは国営放送が1社、民放が3社の計4チャンネルのみで、国営放送を除いた民放3社が生き馬の目を抜く熾烈な視聴者争奪戦を水面下で繰り広げている。







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