モノでは無く、もはやヒト。

皆様は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をご存知だろうか。「ブレードランナー」の名で映画にもなり、古今東西のSF好きに親しまれている名作だ。

私は本作のある着眼点に惹かれた。
それは「ヒト」の量産。無骨なロボットでも人に似せたアンドロイドでもなく、最早「道具」に成り下がったヒトなのだ。

題がまた皮肉である。
『国民2.0』と来た。国民なのだ。ではその内実は?それは本文をお読み頂きたい。
国民がモノならその使役者は誰なのか。
そして読み進めた先に待つラストのシーン。これを嗤わずにはいられない。

この作者、既に多種多様の作品を投稿されてはいるが、個人的には是非とも本作を産んだクオリティーで更なるSF長作を書いて頂きたい物だ。
上から誠失礼ながら、その未来へと☆3を付けさせて頂こう。