みんなで世界史を勉強しよう~西洋史編~
まめたろう
第1話 古代オリエント編(1)オリエントの地理
第1節 オリエントの地理
『オリエント』とはラテン語で「日の昇るところ」の意味で古代ローマ人から見て東方の地域を指しました。
現在の国でトルコ、シリア、イラク、イラン、エジプト、サウジアラビア、アフガニスタンあたりということになります。
世界四大文明のうちの2つ、メソポタミア文明とエジプト文明がそれぞれ発展した地域であり,後のヨーロッパ世界の歴史を理解するうえでも重要な地域です。
特にメソポタミア文明では、紀元前7000年ころには農耕・牧畜が始まり、紀元前3200年ころには文字が生まれています。いずれも人類最古のものでしょうから人類の歴史の始まった場所といっても過言ではないでしょう。
まず、オリエント地方の地理について説明します。最初からすべて覚える必要はないので、最初は読み飛ばしてもらい、必要に応じて読み返してもらえるとよいです。地図を見ながら読んでもらえれば、位置関係も分かってよりgoodです。
もちろんこれくらい知ってるやい!という方も読み飛ばしてもらってOKです。
(1) アナトリア(トルコ)
オリエントで最もヨーロッパに近いのが『アナトリア半島』です。現在トルコがある場所といえば分かりやすいでしょう。
アナトリア半島は北側を『黒海』と南側を『地中海』に接しています。その黒海と地中海を結ぶのが『ボスフォラス海峡』と『ダーダネルス海峡』です。
そして、黒海の東にあるのが『カスピ海』です。海と名付けられていますが世界最大の湖です。淡水湖ではなく塩湖で、海水のほぼ1/3の濃度です。
おおむね黒海とカスピ海より南の地域がオリエントということになります。ちなみに黒海とカスピ海の間に挟まれた地域を『コーカサス地方』といいます。
(2) エジプト
アナトリアから地中海を挟んで南側、アフリカ大陸の北東の端にあるのが『エジプト地方』です。現在では砂漠化が進んでいますが、古代では非常に豊かな穀倉地帯でした。
中央アフリカのヴィクトリア湖から北へと延び、スーダン、エジプトを通過して地中海に延びるのが『ナイル川』です。エジプト文明を育んだ母なる大河です。
エジプトの東、アフリカ大陸とユーラシア大陸とつなぐ逆三角形の形をした半島が『シナイ半島』です。そして、シナイ半島の西側、陸地が細くなっている部分が『スエズ地峡』です。この地峡に『スエズ運河』が作られ、地中海から紅海に渡れるようになるのは1869年のことです。
(3) アラブ
シナイ半島の東側、オリエントの南部のL字の形をした地域が『アラビア半島』です。同じ半島でもシナイ半島とはサイズが違う世界最大の半島で、非常に広大な地域ですが、そのほとんどは砂漠です。
アラビア半島を囲う海について。まずアラビア半島の西側、アフリカ大陸とアラビア半島に挟まれた南北に細長い海が『紅海』です。紅海の南端が『バブ・エル・マンデブ海峡』です。名前こそマイナーですが地政学上の重要地点で、船乗りからは『涙の門』と呼ばれていたそうです。
バブ・エル・マンデブ海峡の南側、アラビア半島とソマリア半島に挟まれている海を『アデン湾』といいます。
次にアラビア半島の東側、アラビア半島とイラン高原に挟まれた海が『ペルシャ湾』です。そしてペルシア湾の出口が『ホルムズ海峡』です。
アデン湾とペルシア湾その両方が大きな海『アラビア海』に繋がっています。アラビア海はアラビア半島、パキスタン、インド亜大陸に囲まれています。
(4) メソポタミア
古代オリエントの最重要地域が『メソポタミア』です。メソポタミアは「複数の河の間」という意味で、『チグリス川』と『ユーフラテス川』の間の地域を指します。2つの川はトルコ南東の山岳部から、ペルシャ湾に延びています。
メソポタミア北部を『アッシリア』、南部を『バビロニア』と呼び、さらにバビロニアの北部を『アッカド地方』、南部を『シュメール地方』と呼称します。
ペルシア湾からチグリス・ユーフラテス流域を通過し、地中海沿岸(レヴァント地方)へと至る地域を世界史用語で『肥沃な三日月地帯』と呼びます。歴史上、最も早く農耕文明が成立した地域です。
(5) レヴァント
アナトリア半島の南、地中海東の沿岸地域が『レヴァント地方』です。現在のシリア、イスラエル、レバノンあたりを指します。肥沃な三日月地帯の西半分の地域です。
『死海』と呼ばれる濃度約30%の塩湖があります。湖面の海抜はマイナス418mで地表で最も低い場所であります。
地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域を『カナン』といい、ユダヤ人にとっては『約束の地』とされている場所です。この地方はイスラエル人がやってくる以前から民族的に多様な地域でした。
地中海の極東部、アナトリア半島の南、エジプトの北に位置する海が『レヴァント海』です。レヴァント海最大の島が『キプロス島』で地中海貿易の重要拠点となります。
(6)イラン高原
メソポタミアの東、パキスタンの西にあるのが『イラン高原』です。
西部のザグロス山脈にはペルシア湾から吹き付ける高温多湿の空気がぶつかるため降水量に恵まれ、農業に適した地域が点在します。
一方で、東部にはカヴィール砂漠とルート砂漠という2つの砂漠もあり、人口密度は希薄です。
イラン高原がオリエントの東端です。
雑談
地図を言葉にするって難しいですね……いい勉強になりました!
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