君といた、一生分の一年間。

@Tamako0401

第1話 10月、出会い

今日から異動で赴任してきた新しい課長、東京の方で元営業マンだったらしい、今までこの部署にいた課長たちはみんなおじいちゃんだったので、42歳いうだけですごく若く見えてしまう。…かといって、かっこいいとかは全く思わず、へぇーとしか聞いていなかった。

これが初めての出会いで、初めての感想。


小田島正人、42歳。


ちなみに私は結婚10年目30歳、で、小1、小3の男の子がいて、旦那ともそれなりにうまくいっていて、仕事も楽しく、職場のみんなにも可愛がられ、パートの事務員として普通の毎日を送っていた。

この出会いの1ヶ月後までは。


さすが元営業マンだけあって、2日もすれば50人以上いる部署のみんなの名前と顔を覚え、すでに雑談で爆笑の中心にいる存在になっていた小田島課長。


私自身は特に興味もなく、人見知りもあるため、近づいて会話なんてしようとも思わず、ただただ、さすがだなーとしか思っていなくて。羨ましいも何にも。別世界の人とすら思っていた。


でもちょっとだけ、笑ったときの声や、笑った時のくしゃってなる顔が年上だけど可愛いな、あーゆうのが営業で成功するんだろうなって思って見てたかもしれない。

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