その答えの一つがこの作品だと思います。
映像で喜怒哀楽を表現する時、人目を引く為にどうしても誇張し、過度な演出をしなければなりません。
それは大きな感動を呼ぶ事がある一方で、とても不快感を齎す事もあります。
正直な話、この物語には特別に秀逸な設定だとか、面白いキャラが出てくるわけではありません。
しかし、読者に寄り添い、置きざりにしたりしません。
主役の二人は、彼等にとっての答えにたどり着き、居場所を見つけます。
相対評価に晒される世界で、それを正義だと言わんばかりの表現の中で、この様な作品に出会えるから人は小説を求めるのだと思います。
読了して思ったことは、あーあ終わっちゃった、でした。物語に引き込まれ、一気読み。終わったのに、続きが読みたい。良い作品はいつもそうです。心が作品の中にとり残されるとでもいうのでしょうか。
ずっとふたりを見ていたい。そう思わされるのは、この作品の力なのでしょう。※ちなみに少女はめっちゃかわいいです。
正直、バッドエンドだったらどうしてやろうかと。スマホを壁に投げつけて星火さんに新品iphoneXS 請求してやろうなんて考えていましたが、大丈夫。これは救いの話。絶望に苛まれるふたりの救済。それって出逢いなんだなーってしみじみ感じました。死にたがり、最高。
幸せな読書時間をありがとうございます。
そこのあなた。
内容はタイトルそのままで、男の子が女のコの自殺を止めるんだろ、と思ってこの小説をスルーしようとしているそこのあなた。
私も最初はそう思っていたよ。それでいつか女の子が自殺しなくなるんだろ?みたいな結末まで予想してたよ。
でも、この物語はいい意味で私を裏切った。
そんな簡単な話じゃないのだ!!
もう本当にいい意味で裏切られた。(何回も言う)
これ以上はネタバレになるから言いたくない。
全てあなたの目で見て物語の内容を知ってほしい。
絶対あなたもいい意味で裏切られるから。
そんな簡単な話じゃないとわかるから。
最後には切なくなって、二人の行く末を見守らずにはいられなくなるから。
是非。是非読んでほしい。