原罪と山茶花の花がはぜる折,冬にかけては迷妄の宴

韮崎旭

原罪と山茶花の花がはぜる折、冬にかけては迷妄の宴

原罪と山茶花の花がはぜる折冬にかけては迷妄の宴

骨の数虐殺の数死屍の山削る標識鶴嘴と犀


局所的恣意の先行き石橋は別れを言うにはもう遅いだろ

水の音はいつもこれほど甲高く今日の過失をとがめていたのか?


雨音が絶えて迎えた朝の灰出口の二階見下ろす鳥居

原子力事故によっても途絶えない、裂けない、消えない、見るわけがない。


仮ものの夜に溶かした紛争はココアの童話と不死の幻

薄明に戦争ごっこは楽しいか腐敗する指記す墜落。


狂態は今になくなるからどうぞお好きな分量叩き潰せと

券売機普通電車、バスターミナル、抗生物質、アスピリン、地下


近いから刺しただけです人だからそれ以外だと満足できない。

畜肉や動物死体は条例で焼却ごみへと分類されます。


初夏ですか?君の手のひら万緑と描けば爛れるはじけた笑顔が。

12月逝く当てもなく住所不定駅舎で過ごした行方不明を


 失踪するだけだったのに、展望台(近隣に橋梁有り、有名な心霊スポット)から見下ろす朝日はこれまでのように無感動で、私はあきらめのつけ方を忘れた。それなのに読み直す『地下室の手記』はどんなチョコチップクッキーより優しく私の鬱積に語りかけるのだもの、必要なのはあなたでもなくまして私でもない、そうわかるのに、この朝日は例えば、有意義だったね、笑った私のそばであなたは泣きそうにしていて、それはどうしたの? 尋ねても答えない、ねえ、笑って、前みたいに自殺旅行の計画を立てよう、ねえ、笑って、くだらない服毒と厭世で台無しにしようよ、戦争ごっこでいいじゃない。

 あなたはどうして座り込んでいるの? 

 笑って

 

 殺して

     

 きいてよ、ねえ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

原罪と山茶花の花がはぜる折,冬にかけては迷妄の宴 韮崎旭 @nakaimaizumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ