人生も折り返し地点をとうに超え、開かれた自分のための退職送別会。しかし彼は、胸の中に虚無を抱いていた──誰しもが持つであろう、後ろ髪引かれる後悔。彼の後悔とは──その先に、彼が見つけたものとは。***分かる。分かるよ、分かる。めっちゃ分かる。恐らく、人生の分岐点に差し掛かるたびに、誰しもが彼と同じ想いを抱く。そして、それに想いを馳せた時に、その事に気付けるかどうかで、人生の捉え方は変わるのだと思う。ある程度年齢を重ねた人なら、きっとギクリとする事請け合い。今の日常にってれた時に、ふと読んでみて欲しい作品です。
構成、脚本、演出、文章、人物、全てが非常に高い水準で釣り合った好作。主人公と係長の対比も絶妙だが、敢えてあの時代へと遡り、かつ戻ってこさせるのが憎い。昭和風の宴会もノスタルジー以上に現実味を強く打ち出している。主人公には是非とも新鮮な次なる舞台を楽しんで欲しい。
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