冷蔵庫で生き残った者のハードボイルド

天体の移動で一度氷河期になった地球。
その後、定位置に戻った地球にはほんの一握りの生物しか生存していなかった。
世界は終わっていた……。

渦を巻いたバナナ、毛玉が淹れてくれる珈琲、どれも美味しそう。
関西弁の亀、踊るトカゲ、ガチャンと壊れる太陽、あいこにしかならないじゃんけんロボット……。

とにかく想像力が逞しく、文字から世界がイメージできるほど描写力もあり、「この世界は本当にあるのでは」と思わせてくれるお話です。

ひとりぼっちなのに寂しさはあまり感じず、ただただ終わってしまった世界の中で見つけた小さな発見や出会い、そのひとつひとつが楽しい作品でした。