バタフライ・エフェクトと死神の信憑性について。

 「バタフライ・エフェクト」とは、蝶の羽ばたきがハリケーンを生むという、いわば、現代版の「風が吹けば桶屋が儲かる」である。この小説の主人公たちの些細な言動が、他人の不幸にかかわるように……。
 主人公たちは三人組だった。しかし、その内の一人が高校の階段で死亡したことから、主人公の友人が、「死神」と呼ばれるようになる。何故ならその友人の周りでは奇妙な出来事が頻発していたのだ。友人と距離を置くようになってしまった主人公は、その友人を旅行に誘う。しかし、その旅行中にも次々と不幸な出来事が起こり始める。

 彼は本当に死神なのか?
 そして、もう一つの事実。つまり、いつも主人公は友人と一緒だった。
 さらに、見え隠れする死んだはずの友人の影。

 「死神っていると思う?」
 「じゃあ、神様っていると思う?」
――今日も、彼らの言動が誰かを不幸にしている。

 これが読まれていないのはもったいない。

 是非、是非、御一読下さい!

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