用語解説

※1 オリジナル用語にはルビで「オリ」と表記する。

※2 同作品の世界観は自作「イヤーハンドレッド」と共有がなされている。




有機微細器技術オーガノテック:オリジナル用語。別名Orm(オーム)。人工知能、融合脳、メタバーオリと共に四大発明の一つ。古細菌や真正細菌の祖先である“プロゴミオリ”をDNA操作による逆行進化で生み出し、彼らの力を借りて一連の効果を生み出す技術。つまりはナノテクノロジーの頂点である。

 オーガノテックは四大発明の名にふさわしく、人工有機生体作成技術を飛躍的に発展させており、人工知能体の作成に最も貢献度合いが高い。

 例をあげればきりがないが、人工筋オリやナノボット、ヘルスバンドなど、多くの技術に応用されている。


・オルガノーグ:フランスの哲学者・啓蒙思想家ティエリー・オケが提唱した概念で、「生身の肉体と機械とが融合し、しかも機械の部品を交換できる」サイボーグと対照的に、「何らかの道具や機械を身に着けただけ」の存在がオルガノーグである。

 人口臓器や人工皮膚を持つ生体は融合しているのでサイボーグ、ペースメーカーや松葉づえなど、着脱可の補助器具を持つ生体はオルガノーグとなる。


METAVERSEメタバース:仮想現実サービスの総称。現行のVRサービスは特にMETAVERSE1.0と言われる。またより感覚をリアルに構築し、仮想現実内が「現実」と区別の無くなったものをMETAVERSE2.0という。

 本作ではオリジナルの設定として、「METAVERSE」というVRサービスが世界に浸透している。


・ビヨンドGT社:オリジナル用語。社名は「general tech(全ての技術)をbeyond(飛躍させる)」という意味。一大VR企業。


・強いAI:自律型AIのことで、考える・判断する能力はもちろん、自らが考える“規範”すら設定する能力を持つ。対義語は弱いAI。人間の指示・手助けが無いと能力の発動ができない。


原始細菌プロゴミア:オリジナル用語。古細菌と真正細菌という二つの菌類を逆行進化させることにより生み出された細菌。生体のタンパク質を分解し摂取する。その際、アミノ酸をとその「結合組み合わせ」一つ一つに異なる電気信号を発するため、プロゴミアが分解した「生体」の複製が作成可能となる。

 先述した有機微細器技術は、プロゴミア無しでは発達しなかっただろう。


・ニューラルネットワーク:人間の脳神経系のニューロン(神経細胞)をモデルとした「数学モデル」のこと。脳神経と同じく、人工ニューロンは情報に「重み」を付けることができ、また多数組み合わせることで複雑な学習処理が可能となる。


・エンケパロファオシス・ヘテロロボサ:オリジナル用語。脳の機能が阻害され死に至る難病、プリオン病は、現実では未だにその原因が掴めていない。本作では、その原因を同アメーバとした。


・散発性大脳錆化脳症:オリジナル用語。プリオン病の一種。本作における2033年に発見された難病で、大脳基底核をはじめとする大脳全般が機能不全に陥り、死に至る。


・BMI:ブレイン・マシン・インターフェースの略。脳と機械とを交信させ、脳波によって機械の制御を行う機器。同技術の研究が進めば、義手や義足、義眼を自分の体の一部であったかのように動かすことが可能となる。


・IAA:オリジナル用語。国際学園区域。本作の世界では、東京が「都市国家」として独立する準備を始めている。そこで東京は日本国に対する依存状態を解消するべく、大規模な都市改造を行った。IAAはその一環。


・ラクロワ・アヴニール社:オリジナル用語。ビヨンドGT社と同じく、大VR企業のうちの一つ。同社の主力商品「アンドロー」は、脳で思った物事を紙面に書き起こしたり、イラストとして出力する、最新鋭のBMI。

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星語り 凪常サツキ @sa-na-e

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