輪廻の糸は、絆となるか、呪縛となるか。

 虐げられる痛み。冷たい目線。
 そして、禁忌的な色情と自己嫌悪。
 ダウナーな雰囲気の漂う作品ですが、そのダークさを伝える文章力はできています。
 決して口にも行動にも出してはいけないこの双子同士の情は、いまの時点で呪縛の糸であるように読めます。どうあがいても朝斗はこの輪廻の糸に首を締められています。

 この作品に添えられた言葉。
「前世の記憶という名の呪縛から、足掻き脱出せよ」

 そう、まさにどう脱出するか。
 そして呪縛は真にして良い「絆」へと変わるのか。
 期待の大きい作品です。

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