僕たちは芝生の青さに気づけない

作者 鴨志田千紘

53

18人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

遠坂永司が自分と瓜二つの重病人・近藤舜一に体を貸す。
「体を貸す」というのは、他人の意識データを宿し、肉体に同居させるというもの。
舜一は永司の体を借り、女性に会いに行っていたのだが、その理由は――

舜一に悪意があるのか?
展開が読めず、とてもドキドキして読みました。

SFの設定に恋愛や友情を通して、自分を見つめなおすテーマも込められており、至極の短編となっています。
後味がとてもいい作品なので、ぜひお読みいただきたいです。

自分もこんな作品が書きたいなと思いました。無理だけど。

★★★ Excellent!!!

顔がそっくりな二人の男性は、あるきっかけで出逢い、契約を交わし、『交換』することで手に入れたいと懇願していたものを手にし合う。

でも、手にした先に見えたものは、満足感よりも別の真実だった。

鴨志田さんの切り取った『羨望/隣の芝生は青い』気持ち──不思議な体験として是非ご体感いただきたい!

★★★ Excellent!!!

他人の芝生が青いと思うのは自分勝手で簡単過ぎる。
しかし自分の芝生を青いと思うことは自分の勝手が利かず、難しすぎる。
「汝我を知れ」という言葉がありますが、決して身の程をわきまえろという意味ではありません。
ネガティブな面ばかりでなく、自分を良い意味合いでとらえなさい、というメッセージを感じました。

人間のリアリティが描けていると思います。
この作品を読んだ後、私は次のように思います。
相手が持っているものが欲しいと……本当にそんなことが言えるでしょうか?