位置

ミーシャ

dated: _ _


自分のやりたいこと、

やらなくてはいけないことを書き上げたとき、

その少なさに驚いた。


僕はそれでも生きている。そうしていつしか、死ぬのだと。

『いま』―これが、僕の人生の一部であるのだ。


休むのも、励むのも、

愛するのも、愛さないのも。



自分の属す世界の脆さを知って、

たやすさと透過性を知って、

わずらわしさを知って、


くだらないことの連続で、まぎれる熱を知って、

悲しみのなんと軽いことを知って、

忘れたはずの自分をもう一度、取り戻そうとする。


昨日が昨日でしかなく、

明日が、明日かもしれないように、

今日は今日なのだ。


出来ることしかできない。


それでもいつか、僕は死に、そのときに

何が達せられていたかも、約束はできない。


けれど憶えている、すべてのことから

僕は、自分の生を価値付けようとしている。


こんなにも不確かなものを、

大事だと思うために。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

位置 ミーシャ @rus

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る