考古学者とその他専門分野の人々による、論理的バトル!

 主人公は考古学者。日本の縄文時代に詳しい。そんな中、友人によって縄文時代のオーパーツ(人間の知識や技術では地球上にあり得ない物)の検査を依頼される。しかし、どんな検査をしても、製作年代は縄文時代だが、未知の物体だった。
 それからしばらくして、主人公は他の分野の研究者たちと引合される。そして強烈な個性を持つ研究者たちと共に訪れたのは、そのオーパーツが発見されたという「遺跡」であり、そこには縄文人の骨まであった。しかし、驚くべきところはそこではなかった。その場所には、何と未知の生命体、しかも木星への帰還を要請する生命体がいたのだ。ここから、主人公たちの論理バトルともいえる応酬が始まる。
 
 この未知の生物の話を信じるのか?
 主人公の友人は利用されているのではないか?
 
 ただの疑心暗鬼ではない。それぞれが、それぞれの分野から意見を述べ、それぞれの答えを出していく。そう、ここは人類が歩むべきところの分岐点だ。どの意見を採用するかで、人類のこれから進むべき道が示されていく。主人公たちは感情的にはならず、持てる知識を存分に発揮し、正しい道を選択し続けなければならない。SFでありながら、考古学の知識や検査などは本当に今現在、使われているものだった。炭素14年代測定法など、考古学をやったことがある人には垂涎のものだろう。その上で、論理が展開されていくところが面白かった。

 さあ、貴方の前に、未知の生物がいます。どうしますか?
 友好的で、貴方にもメリットが大きい提案をしてきます。
 言葉遣いは、丁寧で、会話ができます。
 人間より高度な知能と技術があります。
 
 貴方の選択は、正しいですか?

 是非、ご一読ください。

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