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「 」

・・・

そういえば、誰かに「誤解」されて、本気で怒ったり、

どうにかして、自分のことを分かってもらおうと四苦八苦したことなんか、私には無いのだ。先に諦めてしまっている。

「あぁ、この人はそう思うんだな」という感想。私は他者とは違う、というそれだけのことを毎回、確認しただけ。

無意味な繰り返しにしてしまっていたのは私。

でもどうしてこだわれないのか、自分でもよく分からない。

それは、「自分」がよく分からないからだとも、思うけど。

相手の想い、相手の解釈。それしか無い。

「私は！」というのが、あまりよく分からない。

誰かの受け売り、私の見た「世の中」、

それが、私のようになっていたけれど、やっぱりちょっとズレている。

私の感情が大事だったはずなんだ。

けれど、それ自体を隠すくせがついてしまっている。

自分でも気付かないうちに、隠してしまうくせ。

そのことをなかなか、重大だと思えていない。

・・・

僕はこのメモを見て、友人に言った。

「今はどう、思ってるの？」

友人は僕を見て、曖昧な笑みを浮かべると、こう答えた。

「これを君に渡したってことが、とても大事なことだと思う」