第3話

それから何ごともなく、夏から秋になった頃、突然のメールが来た。



昨日電話で話しをした。

そのお礼と、出張で今日は代休だというメール。



軽そうな人だ。誰にでもしているんだろうと一度は閉じたメール。




でも、数時間後。

仕事だし、何か返信しないと。


当たり障りの無いメールを送った。


"お世話になっております。

遠方への出張、大変ですね。お疲れ様です"



するとすぐに返信が来た。



食事の誘いとラインID。



これは流石に躊躇した。

結婚して、17年。そして子どももいる。



仕事だけど、2人で会う訳にはいかない。



危険も感じた、警告音も鳴った。


でも、何もない平凡な日常の中、

ドキドキした事は確かで、

その禁断の地に何かを期待して、足を踏み入れてしまった。




毎日怒涛のように来るライン。


彼は自分の事、私への質問を一日中送ってきた。

少し疲れを感じながらも、久しぶりの感情に興奮を覚えた。


これ以上踏み込んではいけない。

関わってはいけない、

何度か断った。



"忙しいので、また今度"


その度に"時間は作るものだよ''

"会いたい"



わかっていながら、その甘い言葉に久しぶりに感じる感情を抑えきれず、約束をしている自分がいた。



2週間後会う約束をした。

今回だけ、これっきりだから。


自分に言い聞かせるように。

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月と太陽 @rinna

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