フレンズデビュー

 しんりんちほーにあるジャパリ図書館には、様々なフレンズが訪れる。図書館に住むフレンズの知識を借りたり、そこにある本で分からないことを調べたりするためだ。

 来訪者で一番多いのは、自分が何の動物を知りたいフレンズ。生まれたばかりで右も左も分からないフレンズが周りに勧められ、図書館を頼りにやって来るのだ。

 そんなフレンズのよりどころとなっている図書館に、一人の来客が姿があった。

「調子はどう? コノハ、ミミ」

 目の前に降り立った鳥のフレンズに、カラカルは親しげに話しかける。久々に会ったアフリカオオコノハズクの博士とワシミミズクの助手は、顔を見合わせて小さく息をついた。

「悪くないですが、長も楽ではないのです」

「ポンコツだらけなのですよ。まったく」

 似たような口調で悪態をついているが、二人の表情は誇らしく、パークの長だという自負心が見て取れる。しばらく会わなかった間も多くのフレンズたちに頼られ、力を貸して来たのだろう。

 始めて会った頃の二人は意気込みこそあったものの、知識不足で空回りしているところがあった。本人たちもそのことを自覚していて、先代の博士と助手のように賢くなるにはどうすればいいかと悩んでいた。

 カラカルはそんな二人に文字のことや本の読み方、パークの歴史などを教えていた。二人は知識への興味が強い上に物覚えが良く、図書館の本を読み漁って新しい知識をどんどん吸収していった。

 前の博士と助手も性格はともかく賢かったので、元々知性が高いフレンズなのだろう。

「ねえ、ここにラッキーが来てない?」

 図書館内を軽く見回したカラカルが訊ねると、博士は少し驚いたような顔で答える。

「いつもお前と一緒にいるラッキービーストですか? 来てないのですよ」

「そういえば、今日はいないのですね」

 カラカルが一人で来るのは珍しいと口を揃える。何故か彼女と行動を共にしているラッキービーストは、他とは違って体が傷だらけで尻尾がない。見かければすぐに分かるが、今日はしんりんちほーを管轄するラッキービーストが近くにある施設に来ただけだ。

「森に入る前にどっか行っちゃったのよ……ま、そのうちこっちに来るでしょ」

 相棒の行方は分からないが、少なくとも図書館の周辺にはいるはず。ここで待たせてもらうと言った瞬間、博士と助手の目が獲物を見つけたようにギラリと輝くのをカラカルは見た。

 こうなった時の二人が何を言い出すかは大体決まっている。またパークの遺物を見つけたか、図書館で新しい発見でもしたか。

「先日、図書館でヒトが遺したと思われる道具を見つけたのです」

「それが一体何なのかを教えるのです」

 小さい身を乗り出し、図々しい態度で教えを請う博士と助手に呆れつつも、カラカルは小さく微笑んだ。

「はいはい。分かったわよ」


「……どうしよう」

 うっそうとした森の中に、フレンズの不安げな呟きが消えていく。

 声の主は辺りを見回す。目に映るのは生い茂る木々と差し込む木漏れ日だけで、誰の姿も見えない。耳を澄ましてみるも、聞こえるのは風で葉が揺れる音だけだ。

「はあ……」

 彼女はため息を吐いてうなだれる。しんりんちほーに入ればすぐ目的地に着けるだろうと思っていたが、その考えは大外れだった。

 自分が何の動物か知りたいなら図書館で訊くといい。ここに来るまでに会ったフレンズはみんなそう言って、そのちほーを案内して次のちほーまで送ってくれた。

 しんりんちほーに到着した後はフレンズと会わなかったが、ここからなら一人でも大丈夫だと判断して進んだ結果、自分は迷子になっている。

「うーん……」

 いったん引き返し、森の外でフレンズを探して道を訊くなり案内をしてもらった方が確実だ。だがもし図書館まであと少しだとしたら、せっかく近くまで来たのに離れることになる。

 戻るか進むか。頭を悩ませていると、ふいに風とは違う音が耳に届いた。それはこちらに近づいてくる。

 動物だった頃なら警戒した奇妙な音は、自分に害を与えるものではないのを知っている。この体になったばかりの時、初めて会ったフレンズに教えてもらったのだ。

 やがて、森の奥から小さな姿が現れる。知り合いを見つけてほっとしたのも束の間、迷子のフレンズはいぶかるように首を傾げる。

「……あれ? ボス、だよね?」

 足元に来たのは確かにボスだ。しかし今まで見たのとは違って、体は傷だらけで尻尾がない。自分がこの体になる前、群れの仲間の尻尾が抜けたり切れたりすることがあったが、ボスも一緒なんだろうか。

 ボスは迷子のフレンズを見上げると、くるりと背を向けて歩き出した。そしてある程度離れたところで立ち止まり、振り返って迷子のフレンズをじっと見つめる。

「付いていけばいいの?」

 迷子のフレンズが足を進める。距離が縮まるとまたボスが歩き出して、一人と一体は森を進んでいくのだった。


「ヒトとは本当に不思議で面白い動物なのです」

「ですね。何故こんな手間をかけるのでしょうか」

 見つけた道具が何なのか、何のために使うのかを教えられた博士と助手は、かつていたとされるヒトへの興味を口にする。

 こんなことをする理由が分からない。疑問符を浮かべる二人に頷きながら、カラカルは机に置かれたその道具に手を当てた。

「確かにちょっと面倒よね。けど、手間をかける以上にいいことがあったのよ。寒い時に体が温まったり、落ち着いてゆっくりできたりね。……ここにあるのは、誰かが持ち込んだんだと思うわ」

 そのヒトは図書館で寝泊まりしていたか、頻繁に通っていたのだろうと思いを馳せる。パークからヒトはいなくなってしまったが、現在のフレンズたちが知識を得られるのはここに遺された本や資料のお陰だ。

 尤も、博士と助手の他に調べ物や読書をするフレンズはあまりいないのだが。

「壊れてなさそうだからまだ」

 使えるはず。そう言おうとした時、カラカルの黒い耳がぴくりと動いた。彼女と同様に優れた聴覚を持つ博士と助手もその音を捉えていた。

「ラッキービーストがこっちに来ているのです」

「誰かと一緒のようですね」

 遠くからでもよく分かる特有の足音と、それに重なって聞こえる違う足音が近づいてくる。壁に空いた窓代わりの穴の向こうに、ラッキービーストに連れられて歩くフレンズの姿が見えた。

 間もなく入口で足を止めたフレンズは、カラカルが初めて会うフレンズだった。

「あの、ここが図書館だよね? ……はかせって、誰?」

 緩やかな弧を描く耳と細長い尻尾を持つフレンズが訊ねると、博士と助手が彼女の前に進み出て胸を張る。

「博士はこのアフリカオオコノハズクなのです」

「助手のワシミミズクです」

「ど、どうも……奥にいる耳が大きいおねーさんは?」

 偉そうな態度に気圧されて、外に立つフレンズは逃げるように目をそらす。緊張している様子の彼女に笑顔を見せ、カラカルは穏やかな口調で返した。

「私はカラカルよ。はじめまして。あなたは?」

 その優しい声にほっと安堵したフレンズは、落ち着いた表情を浮かべる。

「おいら、自分が何の動物なのか分からなくて。ここに来れば教えて貰えるって聞いたんだ」

 三人が会話をしている間に、ラッキービーストが足元をすり抜けて図書館に入る。カラカルの近くへ移動する恩人を見ながら、フレンズは言葉を続けた。

「でも森で迷っちゃって……。そしたら、尻尾のないボスが案内してくれたんだ」

「そうだったのね。お疲れ様、ラッキー」

 はぐれたのではなく迷子を助けるために別行動をしたのだと知り、カラカルは相棒を労う。すると、知らない名前を聞いたフレンズが疑問を口にした。

「ラッキー? ボスじゃないの?」

「本当の名前はラッキービーストというのです」

「ボスとはフレンズたちが勝手に呼んでいるだけなのです」

 どちらで呼んでも問題ないと答えた博士と助手に促され、外にいたフレンズは図書館の中に入った。

「ねえねえ、おいらは何の動物なの? 早く教えてよ!」

 緊張していたさっきとは打って変わり、弾んだ声で博士と助手に詰め寄る。勢いに押されて若干身を引いた二人は、期待に目を輝かせる相手に内心焦っていた。

「あ、慌てるなです。我々は賢いですが、そんなに急かされたら思い出せないかもしれないのです」

「頭を使うのは大変なのですよ。我々は賢いので」

 動物がヒトの特性を得たのがフレンズ。その姿は多種多様な動物と同じく様々だ。しかし鳥のフレンズは頭に羽が、蛇のフレンズならフードと、種類によっては同じ特徴が表れる。

 現に博士と助手は別のフクロウだが、鳥の仲間なので頭には一対の羽が、加えて額には元動物の特徴でもある羽角がある。

 目の前のフレンズにはそんな明確な特徴がないが、見た目と雰囲気が似たフレンズはいる。おそらく同じ仲間だろう。

 だが、分かるのはそこまでだ。相手は今まで見たことも聞いたこともなく、元の動物が何なのかさっぱり分からない。

「もしかしたら、新種のフレンズなんじゃない?」

「新種?」

 三人の声が奇麗に揃う。壁際に立つフレンズはもちろん、博士と助手も初めて聞く情報だが、長としてのプライドと見得から平静を装っていた。

 推測を口にしたカラカルが歩み寄り、初対面のフレンズを示して博士と助手に話しかける。

「ほら、前に言ってたでしょ? 今までフレンズになったことがない動物の子がたまにいるって。この子、元の動物の中で初めて生まれたフレンズじゃないの?」

 初耳の情報をなぜ自分たちが話したことになっているのか。博士と助手は一瞬怪訝に思ったものの、すぐにカラカルの意図を理解した。

「……そんなことも話しましたね。我々としたことが、非常に稀な例を忘れていたのです」

「前任者がいた我々とは異なる、いわば初代のフレンズ。これは調べるのが大変そうですね、博士」

 窮地を救ってくれたカラカルに感謝しつつも、相手が新種のフレンズと分かった途端に知識欲が刺激されてしまった。分からないことへの不安は消え失せて、興味と好奇心で胸が躍る。

 新種と呼ばれたフレンズは、淡々とした表情の博士と助手がカラカルに話を合わせていたとは微塵も思っていなかった。

「……えーと、おいらが元の動物で初めてのフレンズなら、まだ誰も知らないってこと? それならどうやって調べるの?」

「ここがどこだと、我々を誰だと思っているのです」

 鋭い質問にカラカルが感心した直後、博士が得意そうに鼻を鳴らす。パークの長の言葉を真面目に受け止めた新種のフレンズは、思ったことを素直に答えた。

「色んな事を教えてくれる図書館で、博士と助手でしょ?」

「その通りです。我々は賢いですが、更なる知識を得るのに必要なものがあるのです」

 言い終えた助手が顔を巡らせて、新種のフレンズも改めて図書館内を眺める。

 中央にそびえ立ち、崩れた天井を越すほどの巨木。それに匹敵する高さの本棚が壁一面に置かれており、無数の本が収められている。

 よく分からないが引き込まれるような、そして圧倒される光景に息を呑む彼女に、助手は手近の本棚を指差して説明した。

「あの中に並んでいるのは本といって、それぞれに色んな知識が入っているのです。これだけたくさんあれば、お前の元動物について書いてある本があるはずなのですよ」

「すっごーい……」

 本棚に目を奪われ、感嘆の声を漏らす新種のフレンズ。彼女が何の動物かを調べるためにも博士は動き出す。

「ですが、さすがに数が多いのです。カラカル、手伝うですよ」

「はいはい」

 壁沿いの本棚へ向かう博士とカラカルをなんとなく見つめる新種のフレンズに、助手が相変わらず偉そうな、しかし僅かに楽しそうな口調で言う。

「ぼんやりしている場合ではないのです。お前に本の読み方を教えてやります。何の動物かを一緒に調べるのですよ」


 動物について調べるなら、パークにヒトがいた頃から残されている『図鑑』が頼りだ。図鑑の中にはたくさんの動物がいて、姿かたちを知ることができる。

 図書館には他にも動物に関する本や資料が数多く保管されており、それらを片っ端から調べて新種のフレンズに該当する動物を探すのだ。

 彼女は最初こそ本に戸惑っていたものの、助手が手本として図鑑を開いた瞬間、そこに収められている動物たちに魅了された。

 本の中には様々な動物が集まっていて、『ページ』をめくればまた違う動物たちが出てくる。ここにはいない動物たちが目の前にいることに強い関心を抱いたのだ。

「この本を最後のページまで見るか、思い当たる動物がいたら知らせるのです」

「うん」

 助手が声をかけたものの、机に向かっている新種のフレンズは図鑑から目を離さない。助手は夢中になっている彼女から離れ、本棚から適当な図鑑を取り出した。

 表紙にトラやキリンなどがいる本を開き、そのページに新種のフレンズと思われる動物がいないか探していく。じっくり見ていてはキリがない。既に知っている動物も多いので、見落とさないように指でなぞりながら目を通すだけだ。

 カラカルと博士もこの方法で調べていて、一冊目では見つからず次に移る。ライオンやオオカミやペンギンなどは前の図鑑にもいたが、新種のフレンズと似た動物は不思議と見かけない。

 そうして二冊目、三冊目が終わって四冊目に差し掛かる。似たり寄ったりの内容に少々うんざりし、探しても見つからない徒労感を覚え始めた頃。

「図鑑が終わったよー!」

 活き活きした声が耳に届いて、カラカルと博士と助手がのっそりと顔を上げる。疲れた目を新種のフレンズへ向けると、彼女は机に手をついてぴょこぴょこ跳ねていた。

「本って面白いねー! すっごく楽しい!」

「呑気なものです」

 小声でこぼした博士にカラカルが苦笑する。初めて本を読んだ時の博士と助手もかなりはしゃいでいたが、本人たちはそれを覚えているだろうか。

 階下にいた助手が図鑑を置いて、新種のフレンズの近くに移動する。

「途中で飽きずに読み通すとは、なかなかやりますね」

「そうなの? やったー!」

 この集中力があれば調査を任せられる。そう判断した助手が傍らにある低い本棚を物色し、数冊の本を机に置いた。

「おや?」

 一番上にある図鑑から別の本の表紙がはみ出している。どうやらページの間に挟まっているようだ。図鑑よりも明らかに薄いその本を引っ張り出して、隠れていた表紙があらわになる。

 表紙にいる動物を見て、助手は目を見開いた。

「これは……!」

「あああーーっ!?」

 突然図書館内に響き渡った大声に心底驚き、階段に座っていた博士が体を細くして、カラカルは読んでいた本を取り落としそうになる。

 両手が塞がっているので耳を押さえることもできず、至近距離で驚愕の叫びを聞かされた助手は露骨に顔をしかめた。

「声が大きいのです。我々、騒がしいのは得意ではないのですよ」

「ご、ごめん。でも!」

 新種のフレンズは謝りつつも興奮を抑えきれない。助手が持つ本を指さして、先ほどよりは小さな歓声を上げる。

「この動物だよ! おいら、この動物の群れにいたんだ!」

 探していた動物を見つけたらしい二人の元へ博士が羽を広げて飛んでいき、カラカルはジャンプで移動した。そして、助手が机に置き直した本と動物と新種のフレンズを見比べる。

 緩やかに曲がった耳。先端にふさふさとした毛がある細長い尻尾。動物の姿とフレンズの姿で共通している部分がそっくりそのままだ。

 難しい文字でなければほとんど理解できるカラカルと、彼女に教わって限られた文字が分かる博士と助手は、表紙に書いてある文字を読む。その動物の名前らしきものを。

「お前が何の動物か分かったのです」

 博士が代表して新種のフレンズに語りかける。緊張の面持ちで次の言葉を待つ彼女へ、博士はきっぱりと告げた。

「デグー。お前はパークで初めて生まれた、デグーのフレンズなのです」

「デグー……おいら、デグーって動物なのかあ……」

 デグーはようやく判明した自分の名前を反復する。この体になってからずっと感じていた、自分が何者か分からない不安。それが名前を呟くことで消えていく気がした。

 感動している様子のデグーに、博士と助手はひそかに胸をなでおろす。これで長の面目は保てただろう。

「無事分かって良かったわ。……あ、ラッキーがじゃぱりまん持ってきてくれたわよ」

 カラカルも安心して声をかけた時、尻尾のないラッキービーストが頭に丸いカゴを乗せてやって来た。調べ物をしている時に姿が見えなかったのは、じゃぱりまんを取りに行くためだったらしい。

 それぞれが手に取ったじゃぱりまんを食べていると、デグーがふと食事を中断した。空になったカゴを頭に乗せたままのラッキービーストをじっと見つめて、小さく首を傾げる。

「じゃぱりまんって、どこから持ってくるの? 地面や木にあったりしないよね?」

「どこにあるかは教えられませんが、じゃぱりまんを作っている場所があるのです」

「そこからラッキービーストたちが運び出しているのです」

 博士と助手が自信たっぷりに返した後、カラカルが秘密を打ち明けるように声を落として補足する。

「実は、厳選された素材を使った特製のじゃぱりまんっていうのもあるの」

 色んなことを知りたがるデグーに、三人は惜しむことなく知識を教えていく。

 赤くなり始める空の下、図書館ではフレンズの会話が続いていた。




















 デグーハアンデス山脈ニ住ンデイル齧歯類げっしるいデ、山地ノ岩場ヤ断崖ノ近クニ生息シテイルヨ。地面ニソレホド深クナイ所ニトンネルヲ掘リ、群レヲ作ッテ生活ヲシテイルンダ。


 厳シイ環境デ生息シテイルタメ粗食デ、牧草ト水ダケデ一生ヲ過ゴスンダ。野菜ヤ果物等ノ栄養価ガ高イ物ヲ食ベルト病気ニナッテシマウンダッテ。


 特徴的ナ長イ尻尾ハ抜ケヤスク、外敵カラ襲ワレタ際ニハ尻尾ヲ残シテ逃ゲル習性ガアルヨ。トカゲトハ違ッテ、一度切レタ尻尾ハ再生サレナインダ。


 齧歯類ノ中デハ知能ヤ集中力ガ高ク学習力モアルカラ、飼育下デハ簡単ナ道具ヲ使ウコトヲ覚エタリ、ヒトニヨク懐イタリスルヨ。


 二十種類ニモ及ブ鳴キ声ヲ使イ分ケテ感情表現ヲシタリ、仲間トコミュニケーションヲ取ルコトカラ、別名『アンデスノ歌ウネズミ』ト呼バレテイルヨ。


 じゃぱりとしょかん らっきーびーすと(しんりんちほー)

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残されたけもの ふかでら @matatab1

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