3人の宇宙人
リエミ
3人の宇宙人
高度な文明の発達した星から、3人の宇宙人が地球に来た。
地球人は友好をはかるため、手厚くもてなすことにした。
まず、長旅で疲れていると思ったので、マッサージを受けさせた。
すると宇宙人はこう言った。
「なんてことだ、凶暴な地球人め。こんなに体をつねられて、憤慨だ!」
今まで高度な星にいて、重力も軽いせいか、体が凝ることもなかったのだ。
次に、仕方がないのでお灸士に来てもらい、お灸で和んでもらおうとしたが、これもだめ。
「われわれを気づかぬうちに焼くとは、とんでもないことだ」
元の星では、寒くも暑くもなかったのだろうか。
宇宙人は風邪をひいてしまった。
そして熱がでた。
冷やそうと氷枕をつけるが、今度は氷漬けにして殺されると非難した。
風邪薬も疑って飲ますことはできない。
ましてやお粥、栄養の食事も、みんな拒否してしまった。
「この星に来て、本当によくなかった。これを母星に伝えよう」
と、1人の宇宙人は帰ってしまった。
風邪ひきの宇宙人の1人は、ついに死んでしまった。
残された宇宙人の1人は、仲間が葬儀にかけられるのを見て、悲鳴を上げた。
「これはひどい! 我らが来た証拠を隠滅しようとして、燃やしてしまうつもりだ。地球人とは何を企んでいるのか、まったくわけのわからない生き物だ」
残された宇宙人の1人は、すべてを疑って何も口にしなくなった。
そして、何日かして、ぐったりと地球上で死ぬことになった。
もう地球には宇宙人はやってこない。
◆ E N D
3人の宇宙人 リエミ @riemi
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