発式世界の式闇師

式闇師(しきやみし)――。それは闇を力に変え、妖異と呼ばれる脅威に立ち向かう者たち。これは妖異界と呼ばれる世界の出来事。しかし、その脅威が今まさに世界を越えようとしていた。私立詠鳳高校に通う2年生、識名夕後(しきなゆうご)は日課のジョギングをしていた際、眼前の空間に空いた穴を発見する。そこからまるで店先の暖簾をくぐるかのように現れたのは、黒髪の少女だった。後日、妹の夕羽(ゆうは)と親友の霧島泉真(きりしませんしん)の3人で彼女の元を訪れる。そこで別の世界の存在とその世界で戦う式闇師の存在を知った3人は、彼女とその仲間たちから素質を見出され、共に戦うことになってしまった。これは、何気なく暮らしていた日常が非日常に塗り替えられていく、高校生たちの恋と友情と戦闘と異能と異界交流の物語である。