エピローグ
■■エピローグ
ワクワクの電話が鳴った。取ると叔父だった。新居の窓からは桜の花が見える。風にひらひらと花びらが散っている。
「瞳子ちゃんが骨、引き取ったんだってな。……すまなかったな。一人で行かせて。何しろ兄さんには色々と……」
「分かってます。叔父さん」
叔父は黙った。叔父さんの言い分も分かる。ちゃらんぽらんな父だった。頼りがいがない、薄っぺらな人だった。「それでもね」母が時々口にした言葉。「悪い人じゃあなかったわ」
「叔父さん、私結婚したの。四十八歳のバツイチ子持ちの男の人と」
叔父の動揺が受話器の向こうから見て取れる。自然と口角が上がった。
「いい人なの」
私は少し膨らみ始めたお腹にそっと手をあてた。
タマしい 宇苅つい @tsui_ukari
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