5. 幕間
―――数時間前。
・・・ガチャッ。キィィィィーー・・・バタン。
スタスタスタ・・・。
・・・カタカタカタカタカタカタ・・・カチカチッ・・・カタカタカタカタ・・・。
ポンッポンッ。ビクッ、バッ。
「お疲れ。ほれ、いつものな。」
「びっ………くりした、なんだ兄ちゃんかよ。」
パシッ。カチリ、プシュゥゥゥ・・・。コトリ。
カタカタカタカタカタカタ・・・。
「おい、ありかどうくらい―――。」
「分かってる。いつもありがとうな、太陽兄ちゃん。」
「ったく、礼くらい最初に言えってんだ。もうすっかりでっかくなったと思ってたんだが……まだまだ餓鬼だな、相木。」
「なんで餓鬼って言われなきゃなんないのさ……オレだってもう高校生だっていうのに。」
カタカタカタカタカタカタ・・・カタ。カチカチ、カチッ。
「……それで、どうだった?オレの情報は。」
「あぁ助かったぜ。いつも早い情報、ありがとな。」
「別に。オレは影薄いから、ベラベラと周りが教えてくれるだけだし。」
「お前なぁ……。」
「あぁそれと。今日の昼間の事件、あれはオレがやったんじゃないから。」
「……そうなのか?それじゃあ一体誰が―――。」
「オレにも分かんないけど。でもたぶん……オレと似たような
「……そうか。」
「それと、なんだけど。今日探偵事務所に送られてきた依頼について、少し調べてみたんだ。……聞く?兄ちゃん。」
「いや、それは知っている。昼間の事件のついでに、探偵事務所の方に聞いて来たからな。……弟どものこと、だろ?」
「……分かってるんだ。さすが、警察官の刑事さんだね。あ、でも数ヶ月したら署長になるんだっけ?この町の。昔はスポーツばっかだったあの兄ちゃんが、まさかそんなお偉いさんになるとは……ほんと、ビックリだよ。」
「ちょっなんでそれを―――。」
「そこは聞かないでよね。企業秘密ってやつなんだからさ。」
「いや……別にいいんだけどよ……。」
「あ、いいんだ。……まぁ雑談だし、それはおいといて。」
「雑談だったのかよおい。」
「内容に関しては?聞いたの、その人たちに。」
「……いや、少ししか内容は聞いてない。ただ、置いてあったトランクとメールを見させてもらっただけだ。……まぁ、それ以前に狙われているってのはお前の情報でわかってたから、あんまり意味はなかったけどな。」
「……今、あの二人は?家にいんの?」
「あぁ。当分落ち着くまで、用事がない限り出てくんなって言ってる。」
「……そっか。」
「とりあえずはそれで様子見だろうな。相手の動きが全く見えんから、な。」
「……だね。オレもできる限り、情報を集めとくよ。あの二人のためにね。」
「あぁ、頼む。」
―――「「全ては、俺たち(僕たち)の兄弟(幼馴染み)を守るために。」」
―――前日。
ビュウビュウビュウビュウ・・・・・・ガタガタガタガタガタガタ。
「……いやぁ、久しぶりに来たね。この町には。十年ぶり、かな?」
「………………。」
「ちょっとちょっと!なんか喋んなよー。一人で喋ってるとか、ボク変な人確定してんじゃん!」
「…………。」
「無視かよ、まぁ別にいいけどさぁ。」
ヒュッ・・・スタッ。トントン。
「そろそろ仕事の時間だ。手筈通りに頼むよ?詩君。」
「…………。」
「あれ、返事してくれないの?いいのかい?そんなことをして。」
「…………。」
テクテクテク。
「……君が行方不明の姉さんについて知りたいって、言ってたじゃないか。それをボクは、仕事が終わってから教える。そういう約束だろう?」
「………っ!」
バッ。タタッ。
「フフっ。詩君でも慌てることなんてあるんだね~。大丈夫、ちゃんと教えるって。仕事が終わったら、ね?」
「…………本当に、か?」
「勿論!ボクは約束を違えることなんてしないよ。絶対に、ね!」
「……………………了解、した。」
「ん、よーろしく~。」
・・・トコトコ、タン。
「………狙うのは、あの双子だけ、か?」
「そうだよ~。ほんとはもう一人、参加してほしいんだけど……どこにいるか分かんないからさ、とりあえずその双子を頼むね。」
「…………了解。」
「いってらっしゃーい。あ、お金は下の車の中だよ~。」
ギィィィィィ・・・・・バタン。
ビュウビュウビュウ・・・・・・ガタガタガタガタ。
―――「……フフッ、早く能力が暴走しないかな?あの双子たちは。そしたら、おのずとあの子も……ハハッ。」
―――to be continued.
勿忘草【物リン③】 薄紅 サクラ @Ariel191020
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