淡々と語られるAIと、地球最後のヒトとなった人間の物語。と、思いきや、最後の方から違った物語に変貌を遂げる。平たく言えば、どんでん返しが待っていた。二十歳になったことで、「大人」とされてAIの世界に解き放たれたヒトが、AIと共に、「人間博物館」に行く。そこで初めて、人間は服を着ると知る。AIはヒトにとって、友好的で、安全な存在だった。
「人間博物館」というと、人間がAIに支配された世界を思い浮かべる方も多いだろうが、それは違う。少なくとも、ヒトにとっては。
実際に、少数民族を博物館で展示した過去を持つ日本。この事実はあまり知られていないだろうが、これだけ非人道的なものはない。
だから、この作品は読者に語りかけるの物があるのだ。
さあ、この作品を読んで、「人間博物館」について考え、話そう。
是非、ご一読ください。