新世界

作者 リエミ

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27人が評価しました

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★★ Very Good!!

(ネタバレ注意)
人類滅亡後、人間以外の知的生命体が最上位種として台頭している中に人間が放り込まれるというプロットは、あの往年の名作映画「猿の惑星」を彷彿とさせます。
ですが蓋を開けてみると、猿の惑星とは打って変わって、主人公は作中でロボットたちとの共存を訴えかけていました。主人公からすれば、生まれた時から周りにロボットしかいない環境で過ごしてきて、ロボットと友好的な関係を築いていたのに、ぽっと出の人間様がその生活を壊そうとしたのですから、たまったものではありません。ロボットの破壊に抗議するのは当然でしょう。
ですが、人類側にもそれだけのことをする理屈は存在します。
彼らにとってロボットは人類を破滅へと導きかねない脅威であり、たとえロボット自身に戦意が無かろうと、再び人間の手によって悪用される危険がある以上、放置するわけにはいかないのです。
どちらの主張にも大きな間違いは見当たらないのが悲しいですね。

★★★ Excellent!!!

ロボットが住む世界に、ぽつりと一人だけ残された絶滅危惧種の『ヒト』。
地下で育てられた彼は、地上に出た。そして一つの大きな決断を迫られる。
もしも自分がヒトだったならば、果たしてどちらを選ぶのだろうか。
心を持たないロボットと心を持つ人の関わりについて、考えさせられる作品。

★★★ Excellent!!!

企画参加ありがとうございます。
読ませて頂き、そしてあっという間に心に刻まれました。

ロボットと人が繋がり合うお話は幾度無く目にして来ました。ですがリエミ様のこの物語は悲しくも、一重ではあるが真逆にあるお話。

やはり人とは、激情と欲のままに動いてしまう生き物なのか。データのままに支配された世界こそ、果たして真の平和なのだろうか。

悲しくも優しい、強くも儚い物語。
おお、と息を呑むのでは無く、うーんと深く唸ってしまう様な、深い深いお話でした。

とても好みです!
素敵な作品に出会えて嬉しく思います。

★★★ Excellent!!!

 淡々と語られるAIと、地球最後のヒトとなった人間の物語。と、思いきや、最後の方から違った物語に変貌を遂げる。平たく言えば、どんでん返しが待っていた。二十歳になったことで、「大人」とされてAIの世界に解き放たれたヒトが、AIと共に、「人間博物館」に行く。そこで初めて、人間は服を着ると知る。AIはヒトにとって、友好的で、安全な存在だった。
 「人間博物館」というと、人間がAIに支配された世界を思い浮かべる方も多いだろうが、それは違う。少なくとも、ヒトにとっては。
 実際に、少数民族を博物館で展示した過去を持つ日本。この事実はあまり知られていないだろうが、これだけ非人道的なものはない。
 だから、この作品は読者に語りかけるの物があるのだ。
 さあ、この作品を読んで、「人間博物館」について考え、話そう。

 是非、ご一読ください。