ちょっと人づきあいが苦手な主人公メルが勤めるリヴレ王国王立図書館には、
『図書迷宮(ビブリオラビリンス)』というものがあると噂されている。
その『図書迷宮』を探す少年アーサーとの出会いが、すべての始まり。
蔵書から文字が消え、図書館に入った人々が姿を消し、メルの唯一の友達であり、同僚のシャーロットも行方不明になってしまう。
彼等は一体どこに。そして、『図書迷宮』は実在するのか。
図書館って、いかにも異世界へ通じる扉がありそうではないですか。
『図書迷宮』が作られた成り立ちもさることながら、迷宮世界の描写の美しさ。
そしてメルは気付きます。大切なことに。
ちょっと気難しい少女が、勇気を出して得たものはとても大きかったと思います。
ラストの黒猫くんの台詞を、物語を書くすべての人に贈りたいです。
王立図書館の司書として働くメルは、図書館の中で一人の少年と出会う。少年は図書館のどこかにある「図書迷宮」を捜していると言うのだが――。
図書館と魔法と幻想と冒険。想像するだに胸がはずみます。その想像の世界を、細かく、丁寧に、生き生きと著してるお話でした。
読み進めるほどに、「こういう世界ってどうよ?」と、好きな物をグイグイと嬉しそうに披露されているような気分になりました。それほど、語りが生き生きとしていて熱いのです。どうよって言われても、最高に決まってんだろ。
世界観や情景の描写だけでなく、メルをはじめとした登場人物たちも、とても好ましくて素敵です。
ファンタジーがお好きな方、図書館には何か不思議なことがあると素敵だな、なんて考えた事がある方、ぜひご一読を。
メルが司書として勤めるリヴレ王国王立図書館には噂がある。
「図書迷宮(ビブリオラビリンス)」と呼ばれる不思議な迷宮が、この図書館にはあるというのだ。
メルはある日、その「図書迷宮」を探しているという一人の少年と出会う――。
立ち並ぶ本棚の様子や窓から差し込む光と影など、図書館内が丁寧に描写され、物語の世界観に惹き込まれていきました。
口下手でおとなしく心配性のメルと、図書迷宮の存在を信じ探している好奇心旺盛なアーサー。あるきっかけで起こりだした図書館の異変に、二人は巻き込まれていきます。事態がどんどん大きく動いていき、どうなるのかドキドキしながら最後まで楽しめました。
図書迷宮と関わるうちに、おとなしいメルが優しく成長していく姿も印象的です。
図書館を舞台にした、幻想的な世界で織りなされる温かなファンタジー。
図書館が好きな方、ファンタジーが好きな方にオススメしたいです!