よく考えて作られており、最後まで読んで、思わず舌を巻きました。それでいて短い作品なので、隙間時間に是非読んでもらいたいお話です。
読みやすく、短いながらもテーマとストーリーがしっかりと伝わってきました。見事なオチで、読めば考えさせられるそんな短編です。
人からどれだけ愛されているか知りたがった青年。その要望をかなえる商人。商人はどうやって要望をかなえたのか!?
きれいなオチのショートショートです。短いながらも手慣れた感じでラストまでよどみなく誘導されます。
「どれくらいの人が自分を愛してくれているのだろうか?」というのは誰しもが感じたことのある飢えでしょう。特に気になる人が相手ならなおさらです。そんな飢えを満たすかのように主人公の青年は薬に手を出します。その薬がどんなものかも知らないで。その後の展開は短いながらも心に突き刺さるものでした。行き過ぎた欲望の果てに起こった結末。短いながら寓話としてしっかり構成されており、自分の身の振り方を考えさせられました。