龍の血を継ぐもの

舞台は二〇二〇年頃の中国蘇州。人民解放軍の軍人ばかりが重度のアルツハイマー様の症状で死んでいく謎の病で命を落とす事態が勃発。日本育ちの華僑二世で、自らのアイデンティティに迷いを持つ気弱なお坊ちゃん医師・何天祥が、巻き込まれ事故的に謎の病と、その裏に隠された悲しい過去、そして巨大な陰謀の解明に挑む。
奇病の正体は、発症からごく短期間に死に至る新しいタイプのクロイツフェルト・ヤコブ病（ＣＪＤ）だった！　この新型ＣＪＤを引き起こす異常プリオンタンパク質は、数ヶ月前に人民解放軍軍人の多くが接種を受けた新型インフルエンザ・ワクチンの中に混入されていたことが判明。バイオ・テロの可能性が高まった。
大実業家である天祥の父・何徳賢、元フランス軍将校で天祥の七番目の姉・麗春、父の友人で中国中央軍事委員会前副主…続きを読む