キラキラとそこに息づく対話の魅力

約二年半も周りからは友だち以上恋人未満だと思われていた(いやむしろ既に恋人認定だった)彼、コージ君からの告白を主人公のトモコが断るシーンから始まる本作。
一番の魅力は登場人物たちの生き生きとした掛け合いにあると思います。

彼との会話、親友や友だち、家族とのやり取りがとってもリアル。描き方も既視感があって上手く、するんと心に入ってくる。気付けばいつだって自分がトモコの友だちであり、家族になったかのようにその世界に入り込むことができます。

だからこそ、回を追うにつれて明らかになるトモコが告白を断った理由に、思い出す、初恋のもどかしさ、変わってしまう関係への戸惑い、余計なことを考え何が正解か分からなくなっちゃう不器用さ。
そんな気持ちを忘れちゃったなって人にこそ読んで欲しい。

でも本作では、その負のスパイラルに陥ったトモコを時に叱咤し、鼓舞してくれる心強い味方がすぐ傍に大勢いる。それも踏まえて羨ましいくらいに輝く悩める日々を送るトモコの物語。

成功率100パーセントの告白方法に赤面必至でちょっと覗いてみませんか?

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