物語は、主人公のトモが仲のいい男子、コージくんからの告白をお断りしたところからはじまります。
話を聞けば聞くほど、なんでやねん! と、思わずエセ関西弁でツッコんでしまいたくなる、どう見ても相思相愛、まわりからも完全にカップル認定されている二人なのに——!
そんな荒ぶる読者にかわって(?)トモにツッコんだり寄りそったりアドバイスしたりしてくれるのは、トモの双子の妹ヒロやお母さん、そして親友のユリちゃんなど。
とってもかわいくてあったかい青春ストーリー。
キャラたちのかけあいも軽妙で楽しいです。
現在青春まっただなかという方も、青春なんてはるか遠くに置いてきちまったぜという方も、そもそも青春なんてなかったんだバカヤロウという方も、ぜひどうぞ。
ずっと仲の良かった男の子からの告白。だけど返事はNoでした。決して嫌いなわけじゃ無い。断った後も、ずっとモヤモヤが残ってる。
それならどうして断ったの?そんな読者の疑問を一緒に紐解いていくのは、トモコの双子の妹、ヒロでした。
ヒロに根掘り葉掘り聞かれながら、告白に至るまでの経緯を話していくのですが、合間に挟まれる姉妹の会話が実に良い。遠慮のない関係からか、言いたい事をズバズバ言い放つヒロ。ですがその言葉を受けて、トモコも少しずつ自分の気持ちにどう向きあっていくべきか気づいていきます。
ヒロだけでなく、友人のユリもそう。トモコ以上に、彼女を取り巻く恋路をちゃんと見てくれています。
迷った時、近くに話せる相手がいるっていいなと思いました。
みんなが見守るトモコの恋。その行方を、是非一緒に見届けてみませんか。
ずっと仲の良い友達だったクラスメイトの男から、告白されてしまった!
主人公のトモコはその告白を思わず断ってしまうけど、心はモヤモヤ。そして様子がおかしい事に気付いたのが、トモコの双子の姉妹、ヒロでした。
恋の悩みを、ヒロに打ち明けるトモコ……もとい、ヒロにしつこく聞かれて、色々と探られるトモコ。
この姉妹のやり取りが実に良い。姉妹だからこそ遠慮無しにダメ出ししたりツッコミを入れたり、二人の会話が実に活き活きしてて、とても可愛く思えました。悩みがあるなら、こういう子に相談したいものです。
恋に不器用で、彼とどう向き合えばいいか分からないトモコ。だけど悩んでも立ち止まっても、彼女の事を思ってくれる友達や家族が、必ず力になってくれる。
恋愛だけでなく周りの人の優しさも感じられる、温かな恋物語です。
約二年半も周りからは友だち以上恋人未満だと思われていた(いやむしろ既に恋人認定だった)彼、コージ君からの告白を主人公のトモコが断るシーンから始まる本作。
一番の魅力は登場人物たちの生き生きとした掛け合いにあると思います。
彼との会話、親友や友だち、家族とのやり取りがとってもリアル。描き方も既視感があって上手く、するんと心に入ってくる。気付けばいつだって自分がトモコの友だちであり、家族になったかのようにその世界に入り込むことができます。
だからこそ、回を追うにつれて明らかになるトモコが告白を断った理由に、思い出す、初恋のもどかしさ、変わってしまう関係への戸惑い、余計なことを考え何が正解か分からなくなっちゃう不器用さ。
そんな気持ちを忘れちゃったなって人にこそ読んで欲しい。
でも本作では、その負のスパイラルに陥ったトモコを時に叱咤し、鼓舞してくれる心強い味方がすぐ傍に大勢いる。それも踏まえて羨ましいくらいに輝く悩める日々を送るトモコの物語。
成功率100パーセントの告白方法に赤面必至でちょっと覗いてみませんか?
友達だった高校生二人が恋人になるまでを描いた、ひたすら可愛い青春物語です。
語り口はゆったり、会話は軽妙、くすりと笑ってしまうユーモアもあり、するっと作品世界に引き込まれてしまいました。
コロコロと転がるように進んだり戻ったり立ち止まったりを繰り返す主人公の思考がとても心地良く、後悔や勘違いや弱気にぐずぐずする彼女を応援せずにいられません。
魅力的なキャラクターたちとの会話の中で、次第に自分の気持ちを確認していく過程がとても印象的でした。
気持ちというのはそうした積み重ねで作り上げられるのだなと思わせる、自然で優しい人間味に溢れたストーリー展開、素敵でした。
個人的に一番胸にきたのは主人公の告白シーンです。
もう、こんなの、こんなの、可愛すぎるやろがぁぁあああ!!
⋯⋯青春とはこうあって欲しいものである。