444文字で死に関する作品をというリクエストがあったもので。

拓魚-たくうお-

444文字で死に関する作品をというリクエストがあったもので。

 「死ねよ。」




 新学期早々、僕は所謂、いじめの標的になった。


 進級してすぐに引っ越してきた僕は、一学期からこのクラスで浮いていた。


 正直、予想は付いていた。今までもほとんどいじめられてたようなものだ。


 シカトなんて日常。放課後になればトイレでサンドバッグにされる。


 死を確信した瞬間もあった。だが、先生はいじめに気づいても無視を続けた。


 信頼できる友人なんていないので、ここの全員が僕の敵みたいなものだった。


 「死ね」なんて言葉を、命を知らない奴らに毎日浴びせられる。


 死と直面したことのない人間が、軽々しく命を捨てさせようとする。


 しかしながら彼らは、次の授業が数学と分かるや否や「死にたい」などとぼやく。


 至極意味不明で、矛盾だらけである。


 死にたいなんて言っておきながら、それは言葉だけ。


 心中から本当に消えてしまいたいなどと思っている人間なんてここにはいない。


 して、僕に浴びせる「死ね」にも、中身などない。


 死ぬことを僕が選んだとて彼らは何の感情も持たない。


 しばらく我慢はしたけど、もう無理だな。




 「死ぬか。」

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444文字で死に関する作品をというリクエストがあったもので。 拓魚-たくうお- @takuuo4869

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