HYS-101c コクピット

 何かの警報が、ピーピーと鳴っている。


 ウィルはバイザーを上げてみた。

 その途端、顔をふわりと長い髪の毛が撫でた。甘い香りが鼻腔をくすぐる。

 非常用の機内灯のオレンジの光の中、彼は彼と彼の救助対象とが無事であることを確認した。


「ウィル」

「ああ」

「あたしたち、生きてるの?」

「みたいだな。機体を降りて、外が天国でなければだが」

「一ついい?」

「どうぞ」

「着艦訓練受け直しなさい。悪いこと言わないから。このままだとあんた、着艦が原因で艦を沈めるわよ」

「覚えておくよ、ルー・オール。ベルトを外そう。エイリス、警報を止めてくれ」


 斜めになったコックピットの中で苦労しながらウィルは二人を縛るシートベルトを解除した。途端にルーは、水中の人魚のように器用に身をよじって振り向くと、ウィルの唇に自分の唇を重ねた。


「おいルー……」

「うるさい。黙って」


 ルーはウィルの両の頬をその両手で押さえて、めちゃくちゃにキスの雨を降らせた。唇を吸い、重ね、軽く噛んで、また唇を吸う。激しい、情熱的な口付けだった。


「はあっ」


 一頻りウィルに対して好きなようにキスをしまくると、ルーは満足したのか、ぱたりと大人しくなってウィルの胸に頭を預けてしなだれ掛かった。


「愛してるわ、ウィル・フタバヤ」

「俺も、愛してる。ルー・オール」

「あたし、分かっちゃった。この戦争の秘密。地球のおちんちんが、なぜ宇宙おちんちんの呼び掛けに答えないのか。宇宙おちんちんとしての進化の道を、自由と尊厳の道を選ばないのか。その理由が」

「どうしてだ?」

「知りたい? サンダーバード1」



 ルーはウィルの胸に頬ずりしながらクスクスと笑った。



「いいわ、じゃあ教えてあげる。今夜、私の部屋のベッドでね」



 彼女の言葉に、ウィルの股間のリトル・ウィルがビクンと反応した。

 



*** END ***




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スペースおちんちんウォーズ 木船田ヒロマル @hiromaru712

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