第3話
「ちょっと待ってろよ。すぐつくるから」
妹の頭を撫でて、僕はキッチンにたった。
卵を割る。
肉を捏ねる。
玉葱を刻む。
いつも通りな、この一連の動作が、なんだかとても恐ろしい様に思う。
玉葱を切った所で吐き気がこみ上げて、口の中に酸っぱい唾液が広がった。
頭の隅がどくどくと痛みだして、居間で流れる子供番組の司会者の、やたら元気な声が耳に響いた。
数十分掛かって、僕はハンバーグをつくり終えた。
嬉しそうにそれを頬張る妹を見て、
明日、病院に行こうと思った。
友が死んだとき、僕はスパゲッティーを食べていた。 @425555555555
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