トレッタ

相生隆也

序文

2011のある日のこと、その晩はスーパームーンと言われていた。

とある男が、日本で1番月に近いところに立ったていた。

「まず、祝福を、今日、この日、この場所、この時間に祝福を。

私は鍵を持つもの、私はトレッタを継ぐもの。」

ここで息を飲み込み、

「私は回すもの。」

男の周りに風が吹き込む。

–トレッタ第9回子起動–

「吹く風は青く、満ちる水は蒼く、たち篭る霧は白銀で、思い思いに火の粉は舞う。ニュクスの理は王道で誰もが憧れた。トーラスの理は覇道であり誰もが惹かれた。プカラの理は外道で誰からも忌避されたがその原動は、彼の自己犠牲の精神故であった。しかし、私は違う。我が理は求道である。故に悪いな世界よ、上書きされてくれ。」

男は、呼吸をするため文句を区切った。その時には、男の周りを巨大な歯車が回り始めた。男は思い出した。自分だけが使えるこの能力の為に過酷な人生を送ってきた事を。世界の方を自分に合わせる為に、色々なアプローチを考えた事を。第9回子に目覚めた事を。

「落ちぶれたみじめな者よ

今その力を解き放て

其は、雄大なる支配者の系譜

万感の思いを称え

時の声を聞き 勝鬨をあげよ

ああ勇猛なる軍神アレス

我らは汝を超えて行く

ああ華麗なる地母神ガイア

我らは汝の抱擁から

抜ける者

我らは宇宙コスモス

世界ダイ ウェルト

神々の黄昏望む 求道者の願いホフノンヒュア ラグナロック アイン ウォニッシュ ヴァン エリミッテラー

その日を境に世界は、一変した。


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トレッタ 相生隆也 @carlot

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