世界に等しい喪失から、喪失しなかったはずの世界を目指す

あらゆる「今」を対価に、未来を作る。

「俺しかいないのだ!」
まさにそのとおりだと思う。

この世全ての悪すらも手段とする彼は、きっと他作品なら敵方として倒すべき存在になってるんじゃないだろうか。
でもきっと読者は全員そんなこと思ってない。
それはこの世界の誰よりも、優しい世界を現実にするために戦ってるから。
地獄に生きることを選び、他者は全て礎にし、その果てに目的を成しても彼自身の手には何も残らないことを知りつつ……

他作品の敵方ももしかしたら……そんなことまで考えちゃう。

何話を読んでも「面白い」が止まらない、そんな異常な作品。

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カルマの塔