~あとがきのかわりに


知病とは、中国の思想書である老子の第七十一章から拝借した言葉です。


そこには「知りて知らずとするは上、知らずして知るとするは病(へい)なり――」とあり、簡単にいえば知ったかぶりを戒めるための言葉という訳です。


この話では、自分の経験から外れた体験を持つ女性になりきることで、歪んだアイデンティティを持つことになってしまった一人の女性を描くことにしたという訳です。


この小説はもともと、わたしが六年前に書いたものであり、何かと思い入れのある短編でもあります。


ところで、この女性は、後ほど全く別のお話でも登場することになります。

この文章を読んでいる読者さまにも、もしかしたら、この女性が一体どこの誰なのか、お知らせ出来る時が来るのかも知れません。


ちなみに、この女性が自称していた早苗という名前も、実は彼女がこの女性像を演じるにあたってつけた仮の名前であり、本名ではありません。


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知病 猫浪漫 @nekoroman5

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