ミサミサ無双
- ★★★ Excellent!!!
男性性に嫌悪を抱えながらも、男性に惹かれたり、求められてゆくとき、この作者さまの主人公はどのような道を選び、どのようなことを思うのか――ということに興味を持ち、拝読させて頂きました。
柔らかく丁寧な文体で、比較的ゆったりとしたストーリーの流れを感じますが、伏線を残しつつ、時折、急展開をみせる面があり、飽きさせません。
さらに行為時の文体に関しては、具体的な面と比喩や詩的表現の織り交ぜ方に連携が行き届いていて、滑らかさを感じるところがあります。
また読者の方がストーリーに入り込んでいる様子が、コメント欄から窺い知れました。そのことも含めて興味深く読ませて頂いた作品となりました。
それだけ作者さまご自身のことでは? と思わせる力や心理描写に卓越した作品であったのだと思います。
中には正直、どうなんだろうなあ……と思うご感想やご意見も散見されましたが笑
(あくまで個人の意見です)
でもそれは読者のみなさんがこの作品を通じて、真剣にご自身の性や異性というものを見直し、追いかけていた証なのだと思います。
特にラストの展開はこの作品をしめくくるに相応しい仕上がりとなっており、このお話についてきた甲斐があったように思わせてくれました。
いくつかこの作品に感じた未解決のこともありましたが、次の「告白3 =愛すべき人=」で、そのことがどのように消化されていくのかを楽しみにしていきたいと思っています。