【短編】魔王デビルサタンと魔王に召喚された山田タロスケの物語
MrR
誰か変わって・・・・・・by山田 タロスケ
異世界インフレア。
魔王デビルサタン。
神々に恐れられ、封印されたと呼ばれるとんでもない力を持った魔王。
だけどデビルサタンに封印されていたと言う感覚はなく、ただずっと寝てた程度だそうです。
んでなんか自分以外の魔王やら勇者がいたらしく、試しに勝負を挑んでみたら拍子抜けするぐらいに弱くて――たぶんアンタが強すぎるだけだろソレ。
一人だけドラゴンボー○の世界だもん。
んで暇を持て余した彼は自分が楽しませためだけに勇者召喚しました。
それが僕、山田 タロスケです。
現在、異世界の魔王城と地球とを行き来しながら忙しい日々を過ごしています。
「おーい、タロスケ。ずっと前から気になったんだけど、なんで皆俺を見てるんだ?」
「この世界人間しかいませんからね。珍しく感じてるんでしょう」
「そうか」
現在はデビルサタン様と一緒に地球を呑気に歩いて回ってます。
服装も地球の服装になって秋葉原の町を歩いています。
普通の小説ならば異世界一緒に旅して元の世界に帰還するために山あり谷ありの冒険譚する筈なんですけどこの魔王様結構万能超人でスグに地球との行き来が出来るようになりました。
最初は苦労しましたが生活に順応しました。
お金?
ああ、何か異世界の物を地球で換金したりとか、犯罪組織やらテロ組織の拠点をぶっ潰して金を巻き上げたりとか――地球では今ではちょっとした億万長者だそうです。
世界平和とかじゃなくて金のためです。
運がなかったと思って諦めててください。
「またコウアンとかスパイとかがいるけど片付けていいか?」
「ほっといてもいいんじゃないんですか? 別に悪い事・・・・・・してるかな? まあ別にほっといてもいいんじゃないですか? 外国に拉致されるかもしれないけど・・・・・・」
「そうか」
ともかくデビルサタン様、地球でも自由奔放に生きているせいか何かそう言う輩にも目をつけられるようになりました。
例えば某国の独裁国家とか「どうして悪い国家を放置するんだ?」と言う理由で消滅させたりとか。
日本が「暑い」のは地球環境問題のせいだからと言う理由で地球各所の自然環境を変えまくったりとか。
アメリカのスパイに拉致られそうになった時には直接出向いて一週間でアメリカから帰ってきました。ホワイトハウスが爆発事故が起きたのはきっと関係ないんでしょう。
ロシアのクレムリン宮殿とかも爆発事故起きたりしましたがきっと関係ないでしょう。
他にもイギリスとか世界各国のトップが住まう有名スポットとかもきっと・・・・・・
日本政府?
大国が制御出来ない怪物が極東の島国如きに制御出来るワケないでしょう。常識的に考えてください。
僕?
ああ、実はと言うと学生の身分でニートやってたんですけど、デビルサタン様のせいで強制的に脱却するハメになりました。
デビルサタン様からも「どうして頑張らないんだ?」と言われて「環境のせい」とか「頑張りたくても頑張れない」とか抜かしたら、寛大なデビルサタン様は「じゃあ頑張れるようにしてやる」と言って地獄を見せられるハメになりました。手に持っていたドラゴンボー○の単行本はきっと気のせいでしょう。
今思うと自分はとんでもない馬鹿だったんだなとか思いますね。
「地球人はあまり強くないけどこの世界は面白いな。だけどこの世界の人間、簡単な事を難しく考えすぎている。だから世界はよくならない」
「はあ・・・・・・」
アンタが単純すぎるからだよと言い返したかったが、それを言うと世界の総人口が半分ぐらい消滅しかねないので何も言わないようにしておく。
日本政府から派遣されたエージェントさんも遠くからカンペで「よけいな事を言わないで!」と血文字で送ってくる。
「なんだ? またニホンの連中が何か言ってるのか?」
「言いたくもなりますよ。この前ロシアの戦闘機が欲しいからって領空侵犯してきた奴を分捕ったせいで大騒ぎになったじゃないですか」
「別にいいじゃないか。あいつらワザと領空侵犯している。そんなに戦争したいんならすればいいのに。中国だってそうだ」
「そうなると日本が焼け野原になりますよ。今いる秋葉原含めて」
「安心しろ。そうなるまえにロシアも中国を焼け野原にしてやる」
たぶん本気でやるんだろうなと思いながら僕はゾーとなった。
それロシアや中国が焼け野原になるんじゃなくて地球に大穴を開けるの間違いじゃないのかと。
前に異世界帰った時、暴れていた巨人も――いや、やめておこう。アレは悲惨な事件だった。
あ、なんか遠くで外国人と東洋人が地面に倒れ伏した。
たぶんあれロシアと中国の工作員だな。
「勘弁してくださいよ・・・・・・そうなると好きな映画とかアニメとか公開延期とかになっちゃいますよ」
「うん。それは困る」
「でしょ?」
「うん。ちょっと考えが足りなかった」
最近分かったがとにかくデビルサタンはアニメとか漫画とか映画とかを人質に取れば素直に従うようだ。
だけど調子に乗ってそれを人質に取って命令を強制すれば「安心しろ、あんまり殺しはしない約束だからな」とか言って「死ぬよりも酷い目に遭う」のだ。
てか酷い目に遭ってたな、国会議員の誰かさん。無茶しやがって・・・・・・
(ああ、どうしてこんな事になったんだろう・・・・・・)
一応日本政府から給料は出てるからいいけど勘弁して欲しい。
死ぬまでコイツの面倒見るハメになりそうだ。
デビルサタンの寿命?
コイツ自分の年齢分からないらしい。
て言うか、たぶんも何も人類が破滅するかこいつに破滅させられるかのどちらかの話になるんじゃないだろうか。
もうどうにでもなりやがれ。
☆
そう思っていた時期が私にありました。
地球の世界の月面。
そこに何故か僕とデビルサタンがいた。
僕はロボットアニメに出て来る様な宇宙服を着ていた。
デビルサタンは生身だ。お前生身で宇宙にいけるのかよ。
眼前には宇宙人がいた。
宇宙服を着た、何か灰色のリトルグレイぽい感じの奴だ。
後ろには巨大な円盤がある。でかさは大体イージス艦ぐらいかな?
たぶん地球では今頃大騒ぎになってるんだろうな。
『あの、デビルサタンさん? 彼達は?』
「うん? 宇宙人だけど?」
『いや、それは分かるんですけど――どうやって知り合ったんですか?』
「宇宙人本当にいるかなと思って適当に探し回ってたら知り合えた。ワープゾーンも作ったから何時でも母星に遊びにいけるぞ」
ごめん。
何言ってるのか全然わかんない。
てかそう言えばコイツ、異世界インフレアと俺の世界との行き来を平然と出来るような怪物だった。
異世界インフレアはこの宇宙の何処かにあるのか、はたまた平行宇宙なのかは分からないがその気になればこう言う芸当も出来るのも頭にいれておくべきだった。
いや、前言撤回。無理。僕は予言者でもなんでもない。
宇宙人の皆さんから心なしか生暖かい目で見られているのはきっと気のせいだろう。
ああ、アンタも苦労してんだねみたいな。
この後は――世界中の人々は驚愕した。
卒倒して病院送りになった奴もいた。特に世界中の政府関係者。
「宇宙や他の宇宙になら強い奴はいるのかな~?」
『マジで勘弁してください』
コイツにドラゴンボー○見せるのはマジで間違いだった。
てか、いっそコイツに「ドラゴンボー○」の世界見付けさせて放り込ませた方がいいんじゃないだろうか。
ああ、俺も忙しくなるんだろうな。
頭が痛い・・・・・・誰か変わってくれ・・・・・・
END
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